"Netflixのコンテンツそんなに面白いのか?"という質問をいただいたので、もう少しばかり。
ここのコンテンツが新鮮だったのは「有料直契約のため広告主に媚びる必要がない」「大衆が見る地上波ではない」ために結構エログロ描写が鮮烈であることだ。もちろん、単なるコケ脅しのような低レベルな描写は少なく、ストーリー上の必然性のある形で示されている。「映画や"日本のテレビ"では描けないね」という大人向けの内容を描くことができるので、そこが面白い。(そして、それに魅力を感じて一流の製作者が移動してきている)
具体的に何か見てみようかな、という人にはまず「
ストレンジャー・シングス 未知の世界」をお勧めしたい。
2016年のNetflix独自コンテンツで全8話だが、アラフォー世代を中心に大人気となり、2017年11月のシーズン2公開が待たれている。人気の原因は、
グーニーズ、ET、スタンドバイミー、X-fileを足して4で割ってちょっとオシャレにしたような、万国共通おじさんホイホイ、コテコテの80年代回顧調。そこを露骨に狙ってくるか、というビジネス的な戦略にも感心できる。描写があまりエグくない点も、ビギナー向けかと思う。一応ホラーではあるが、怖いうちに入らないレベル。(これ8話見て、1ヶ月1000円程度で解約しても十分ペイすると思う)
https://www.youtube.com/watch?v=_QVUSdg4-2U
続いて、僕が最初にNetflixで見た作品でもある「
ナルコス」。
コロンビアの麻薬王パブロ・エスコバルを描いた実録物で、これは内容が「エグい」。超大人向け。80年代のコロンビアが怖すぎでトラウマになるレベル。しかし、作品のクオリティは映画レベルの高さ。パブロ・エスコバルはアメリカでは誰もが知ってる有名人(犯罪者)でもあり、そういう意味での「常識」を知ることもできる。なお、ドラマの半分はスペイン語シーンで、この辺にはヒスパニックへの拡大を狙うビジネス戦略が透けて見える。これを見たラテンアメリカの人は怒り出さないのだろうか、とは思うが。すでにシーズン2まである。このあとシーズン3と4を作るらしい。
https://www.youtube.com/watch?v=S5sdYE7a3KU
3作目はエグくない方に戻る。「
ザ・クラウン」。
これはイギリスのエリザベス2世が戴冠する前後を描いた「大河ドラマ」的な内容。Netflixが最大の制作費を注ぎ込んだとかで、2016年のゴールデングローブ賞でベストドラマを撮った。その際、スピーチで企画段階から受賞を狙いに行った、と社長が話していた。受賞したいがために、逆算で世界一有名な主人公を選んで企画したらしい。主人公の女性(クレア・フォイ)は実物よりも美人。お話的には子供と一緒に見ることができるレベルながら、「皇室と人権」というテーマは重く(実は「退位」も一つのテーマになっているので)今の日本人こそこれを見たら良いのにね、とも思った。好評らしくシーズン2製作決定。
https://www.youtube.com/watch?v=at53Mhk8wg8
とりあえず、このくらいで。
(注:上の三つのドラマにも増してブレイキング・バッドは凄いと思うが、これはNetflixの自社制作ではない。あと、世界的な知名度・人気ではHBOが作っているゲームオブスローンズが最強。)
あと、Netflixは硬派なドキュメンタリー作品を自社でたくさん手掛けている点も補足しておきたい。「憲法第13条(黒人問題)」とか「ホワイトヘルメット(シリア問題)」とか。NHKスペシャルを更に乾いた感じにしたものが多い。こういうのを見るのも勉強になる。(ただし、公平に見て、NHKスペシャルは、ネットフリックスのドキュメンタリーと比較しても遜色ないと思う)