2017年2月15日水曜日

ボストンで「ウーバーすごい」と思った7つのポイント


もっと早いタイミングでここに書こうと思っていたが、アメリカ(ボストン)に来て驚いたのはUberの普及ぶりと便利ぶりだ。僕は日本でもUberを使用したことはあったが、なんというか "桁"が違う。

我が家には車が無いこともあり、もう50回くらい使った。

今回の記事ではウーバーすごい!と思ったところを7点にまとめてみた。



まずはユーザーとして便利な三点。

1:ほとんどいつでもすぐに呼び出せる
とにかく街中に流している車が多いので、大体の時間帯と場所においてスマホで呼べば5分以内でやってくる。夜中の2時でも朝の5時でも大丈夫だった。苦戦したのはフェンウェイパークでの試合終了後の周辺(大混雑)と皆が正月モードになってしまうサンクスギビング(閑散)の時くらいだった。あと、郊外に行けば少し待つ時間が長くなる。

2:価格が安い
基本的にタクシーよりも安い。後述するUber Poolというライドシェアサービスを使えばさらに安い。また、ボストンは地下鉄の初乗り(距離定額)が300円近くするので、それを考えても大人2人だったらUberの方が安い、という状況が珍しくない。配車サービスは「贅沢品」ではなく「安い」のだ。またアメリカは高速が安くて早いので、80km先くらいまではUberで行ってしまう。ボストンからロードアイランド州まで余裕で行けた。

3:安心
アプリを使って地図で行き先を指定するので、遠回りされたりするリスクもない。運転手のレピュテーション管理機能もあるので、大概、タクシーの運転手よりも愛想がいい。タクシーも過去4回くらい使ったが、明らかにホスピタリティはウーバーの運転手達の方が良かった。 
ただし、ウーバーの運転手の経歴チェックは過去数年分の犯罪履歴をアップロードさせた指紋で調べているくらいらしいので、それをもって安全というかどうかは判断が分かれるだろう。実際時々、ドライバーの犯罪ニュースはある。 
あと、2回ほど「乗ってないのに課金された」と言うトラブルがあったが、メールでクレームすると事情の精査も無く、即返金してくれた。

続いて、Uberの経営がすごくて恐ろしい、ところを4点。Uberの経営を研究すると色々なことが見えてくる。

4:価格が需給によりリアルタイムで変動するシステムを確立している
需要と供給のマーケットメカニズムに基づき、同じ距離でも運賃が大きく変動する。事前に表示されるので、後出しジャンケンを受けることはない。何度か使っている学校からの帰宅ルートでいうと、安い時は6ドルくらいだが、雪が降っていて需要が高い時は14ドルくらいした。こうした調整を「合理的」と言えるかどうかは、立場と時間軸により異なる深遠な問題だが、「価格による調整」を愚直に実践していてすごいと思う。(アメリカは全般的に価格メカニズムが弾力的)

5:複数顧客のライドシェア(Uber Pool)で知らない人と割り勘相乗りができる
「相乗りしてもいいよ」というボタンで配車を依頼すると、同じ方向に向かう人が途中で乗ってくる。その分、時間が余計に掛かるが割り勘で安くなる。この機能はとてもポピュラーであり、僕もこちらが二人以下の場合は大体これを使っている。スタジアムでイベントがあるときなどは、大体スタジアムに向かう人と相乗りができる。また、朝晩の通勤は人の流れる方向が決まっているので、ここでライドシェアを使うと、10ドル以下でかなりの距離を乗れる。このためこれで通勤している人が少なくないらしい。運転手さんに「ライドシェアってチョコチョコ止まるから面倒臭くない?長距離一発の方が良くない?」と尋ねたことがあるが「うちら空気を運んでも意味ないんで、稼働さえ上がればいいんですよ」と言われた。確かにそうである。 
UberPoolが経路と顧客状況を検索して最適解を導き出している待ち時間の5秒くらい「テクノロジーによる最適化すげえぇ」との感慨が最高潮に達する。

6:ドライバー側へのアプローチもすごい。
Uberはドライバーの確保にもやたらと頑張っているようだ。ドライバーと言っても大体「普通の人」と言うことなのだが。その日の売り上げは当日に入金されるらしい。一番驚いたのは、ある運転手から聞いたことだが、車が無ければリースでUberが用意して貸してくれるらしい。徹底してドライバーから収奪してるように思えなくもないが、とにかくそこまでするか、の経営だ。ドライバー募集のWebサイトを見るのは、ビジネスモデル分析として面白い。

7:独占へとひた走るシェアの高さがすごい
ちなみに、ボストンでは、Lyftというほぼ全く同じ仕組みのサービスの会社も事業を展開しているが、値段的にもUberの方が安く、シェア的にも全く相手になっていないとのことだ。僕も最初は併用しようとアプリを二つ入れていたが、Lyftは削除してしまった。

以上、今でこそ当たり前にUberを享受してしまっているが、渡米当初はこの利便性、ビジネスモデルを驚異的に感じた。

日本に帰ったらUberをこういう感じでは使えないな、、と考えると残念ではある。ただし、僕は「だから日本でも同じように、とっとと規制緩和せよ」と思っているわけではない。 土壌となる諸事情が大きく違う。また、ユーザーとしては便利だが、長期的な社会全体の厚生への影響はまた別の話だ。

さて、漫然と乗るだけではなく、なるべくドライバーさんたちと話す、というフィールド調査もしてきたので次回はそのあたりの話を書く。どんな人がドライバーをしているのか、など。

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