先日、MITでのスタートアップコンペティションのファイナルイベントを見てきた。
8組が登壇して賞金100Kドル(1000万強)を争う。
無料で参加できるイベントだが、日本では経験できないタイプの空間であり、ビジネス人としてありがたい勉強の機会になった。
色々な面で気づき(あるいは、体感的な再確認)があったが、中核的なものは
1:アメリカは本当に多国籍の才能を引きつけている
2:世界にスケールするビジネスが前提になっている
という二点。
例えば象徴的なのは8チーム中のトップバッターだった中国出身のMITスローンスクールのMBA2年生(女性)。
この方、10才まで中国の寒村で育ったらしいが、今や米中の間のビジネストランザクションを支援するビジネスを立ち上げ、MBA2年生でCEO、多国籍のプログラマーやアドバイザーをチームアップして取り組んでいる。後のチームを見ても純粋アメリカ人は少なめで、いろんな国から来た頭のイイ奴があっという間にチームを組み上げて新しいビジネスにチャレンジしている。チャレンジャーには医者や博士号取得者もゴロゴロ。世界市場を狙うことはあえて強調するまでも無い前提として扱われている。
上記二点のダイナミズムを日本で実現するのは厳しい・・・のだが、そもそもアメリカ(沿岸部)以外にこんな環境を持つところは世界を見回してもあまり無いので過度に悲観しなくても良いとは思う。
ただし、日本でこの環境を作るのは無理だとしても、この会場に日本の存在感はほぼないという状況は寂しい。まあ、東海岸は日本から遠いし…。
ただし、日本でこの環境を作るのは無理だとしても、この会場に日本の存在感はほぼないという状況は寂しい。まあ、東海岸は日本から遠いし…。
あと、1月の大統領令に対して沿岸部の大都市であれほどの反対運動が起こった理由の一つはこういうことか・・・(=こうした魅力(競争力)に逆行してしまうから)、、と肌で感じた。
以下は、備忘録。
- ビジネスアイデア自体はシードステージであることもあり、それほど斬新・革命的という感じではないし、プレゼン自体が洗練されているわけではない。ただし、上述した二点のダイナミズムの前にはプレゼンテクニックなどは瑣末なことに思える。
- イベントはオープンで手作り感のある運営。開始は定刻より10分遅れ。この辺のエリアでは大体こんな感じ。しかしピッチと質疑の時間管理は厳格で、終わりは時間通りだった。
- 8チーム中5チームは医療・ヘルスケア関係のビジネス。この辺りの土地柄だろうか。大学勤務医二人組のチームもあった。
- このイベント自体のディレクターが女性。発表する起業家も8チーム中女性が3名。日本だとベンチャー業界は男性色が強い感じなので印象的。
- 審査員による審査の間は、MITのビジネススクール(スローン スクール オブ マネジメント)学生バンド、The Rolling Sloans(このダジャレセンスは日本と変わらん。。)の演奏が四曲。何を演るかと思えば、エミネム(Lose yourself)、ホイットニー・ヒューストン、パール・ジャムなど。アメリカでも懐メロ回帰が進んでいるのだろうか。正直、あまり上手くなかった(笑)。
- サイバーセキュリティビジネスを扱うチームのプレゼン内で、「今からMIT学内のWEBカメラをハック(乗っ取る)してご覧に入れます」といって実演を見せてくれたのはいかにもMIT、あるいはドラマのMr.ROBOTぽくて笑った。
バンドの皆さん |
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