2016年8月13日土曜日

確かに「アメリカに来たら料理が上手くなる(かもしれない)」と思った理由


僕は(村上春樹イズムの実践として)料理はもう10年以上、普通の事としてやってきている。このため「休職して主夫になったら、料理の腕が上がる」ということについては、ほぼ期待をしていなかった。

しかし、渡米前にアメリカ駐在経験を持つ男性友人から「お前、アメリカ行ったらもっと料理が上手くなるよ」とだけ言われた。その段階では、半信半疑だったのだが、来てみてその理由が分かった気がする。自分なりにこの予言が正しいかも、と感じている三つの理由をあげてみたい。

料理もチェスも「先読み」が肝要、と言ってみたかっただけ(Harvard SQにて)


第一に、新しい食材との出会いで発想やレパートリーが広がる。日本でも世界の色々な食材が手に入るのは事実だが、アメリカにはアメリカなりの食材があり、特に日本だとちょっと高くて敬遠していたものが安く手に入る分野がある。代表例としては、サワークリームやフムスなど。また、人種のるつぼだけあって、イタリアンやエスニックの食材も豊富。インド人向けスーパーに行けばディープなスパイスも手に入る。また、普通のスーパーでの「タイ料理」コーナーが日本よりも大きかったりするのも新鮮な驚きだった。食材の豊富さにより、料理のバリエーションが拡げやすい。

第二に、日本にいる時よりも時間があるので、ひと手間を掛けられる。我が家は共働きでもあり、これまで料理は味よりも効率重視にならざるを得なかった。「造りだめ」「簡単なもの」を優先してきた。しかし、こちらだと一応主夫なので、料理に投入する時間を多少は増やすことが出来る。たとえばサラダ一つ作るにも、「ちょっとカリカリベーコンを作ってのせる」というようなことが可能になる。これはこれで料理力を上げる。やはりこういう一手間は、手を動かしてやらないと、いざという時にでてこないものだ。

最後に、これは結構大きな話だが、台所に備え付けの本格的なオーブンを使うことができる。正直いって、僕は日本ではオーブンを使いこなすことができていなかった。愛用のLODGEのスキレット(蓋つき)で代用してしのいでいた。(我が愛するLODGEのスキレットについては話し出すと長くなるので別の機会に…。)こちらのアパートの台所には、アメリカンなオーブンがある。最初の1か月くらいはビビって使えなかったが、徐々に慣れて、3か月目くらいではほぼ使えるようになった。オーブンで塊肉に火を通す作業を繰り返して、いい感じの時間と温度("駐在あるある"なんでしょうが、オーブンの温度表示が日本と違うのは面倒くさい)がなんとなく掴めてきた。これは料理スキルとしては大きな進歩だと思う。あとはケーキとかクッキーを焼く方へ進んでみるかどうかを検討中だ。

塊肉と野菜をローストすることを繰り返す


これまで4か月かなり高い自炊率で暮らしてきた。外食はお高いし、健康にも良い自炊をこれからも続けていきたい。

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