2016年7月12日火曜日

がんばれドジャース!-1- 地元少年野球リーグの現場から



長男が入った低学年野球チームの名前はドジャース。リーグ内のチーム名は、メジャーリーグの実在チームを適当に割り当てているだけで、深い意味は無いらしい。ただし、地元RED SOXだけは使われていない。これは争いを避けるための配慮だろう。

日本で少年野球をやっていた僕ら家族としては、このチームで、数々のカルチャーショックに出会った。



まず、人が時間通りに集まらない。コーチからEメールで1630分から練習、とあったので10分前に行っても誰もいない。どころか、17時に前になっても誰も来ない。コーチそのものが17時くらいにようやく登場。すると段々、メンバーが集まってきて、1740分くらいから試合開始という展開が基本。日本だと、先に集まって準備をして「定刻には整列して挨拶」が基本であることを考えると、大きな違いだ。だらしない?ことこの上ない気もするが、カルチャーとして適応していくことにした。

そして、コーチがとても優しい。バッティングピッチャーをしているコーチ(キャッチャーは居ない状況)が、持ち球を使い果たしたら、自らホームベース付近まで行って球拾いしている。その間、子供は打席に突っ立ったまま。日本だったら「こら、突っ立ってないでおまえが拾わんかい!」となるところだが、そうならない。また、それを親が見ていても親も「あなた拾いなさい」とは言わない点もびっくりした。コーチといえば、日本では母親が「お茶出し」などをするのが基本だと思うが、こちらではそういう活動はほぼ無かった。(シーズンの最後に寄せ書きを渡す程度)

それから、試合中のお菓子とベンチからの脱走多数。低学年ということもあり、「試合に集中する」ということが出来ない。試合中にベンチを出てお菓子を食べたりジュースを飲んだり、バスケットボールで遊んだり、とやりたい放題。これも日本とは大違いだ。ただし、この差は周りの大人の違いだと思われる。日本でも低学年は集中力が低いのは同じだが、コーチや親が指導してなんとかする。しかし、ここのチームではコーチは「一応」注意はする、程度。親は放置。「うちの子がだらしなくて恥ずかしい」という親側の感覚はほぼ無いように見受けられた。これも非難ではなく、あくまで「興味深い」として観察した。

最後に、道具に対する扱い。こちらの子は、グローブを投げる蹴る、バットも足蹴にする。文化として「モノ」に対する感覚が違うだけ、と頭では分かっていつつも、こればかりは日本人としては居心地が悪い。これだけは子供に真似をさせないように気をつけた。(試合中、律儀に「バット引き」をしてるのはうちの子供だけだった)



以上、リーグの他のチームにも見られる傾向だが、たまたまうちが所属したチームはこうしたカラーが濃かったようだ。(徐々にその事が分かってきた。次回でその理由に触れる)

ルール以外に文化がこれだけ異なる中でも、小学生3年生の長男は「野球が好き」という気持ちだけを原動力に、そんな環境の中に言葉も分からないままに突撃していくのだから、子供のつよさ、スポーツの力を感じた。

とはいえ、現実は甘いことばかりでもない。

次回へ続く。

追記:記事タイトルは、名作映画「がんばれ!ベアーズ」より。この映画も渡米の予習として事前に見ていったのだけれど、この予習には大いに意味があった。昔よくテレビで再放送されていた映画なので「昔、見たかも」という人が多いと思いますが、大人の皆さんにも再見をお勧めしたい作品です。

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