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2017年1月12日木曜日

ボストンのトーストマスターズで少年野球についてスピーチ


こちらに来て比較的まもない頃、プレゼンテーション(スピーチ)の講座を受講した。講師だったマイケルとはそれ以来関係が切れず、他の講座を受けたり、彼の作った教材の翻訳を手伝ったりして来た。彼は独立した講師だが、ボストンのトーストマスターズの一つの主催者でもある。トーストマスターズというのはアメリカで盛んな「スピーチクラブ」で、世界では15,000近くのクラブがあるらしく、ボストンだけでもたくさんある。各トーストマスターズはメンバーシップ的な運営なので通常は会員限定なのだが、彼の計らいで、彼が主催するクラブの通常会合でゲストスピーチをさせてもらうことになった。




なぜ、認めてもらったかというと、僕が講座で話したテーマが「私が体験した、少年野球における日米の違い」という「鉄板」のネタだったからだと思う。最初に話をした時は、poorな英語で5分くらいで終わってしまったが、推敲と練習を重ねてなんとか10分くらいは原稿なしで話せる最低限の形になって来た。

会合はボストンの都心で17時30分から1時間で12人くらいのメンバー、会社帰りのサラリーマンから学生など比較的若い人が多かった。まず、進め方が興味深かった。「先生」の指導型ではなく参加者の発言と相互批評重視、また、アジェンダと進行フォーマットと各人の役割が決めた上で進めるので、時間通りに終わることができる。ビジネススクールでも、学校のPTAでも、映画などで見るリハビリ療法グループでも、こういう感じの会合がアメリカでは多い。会議の生産性向上という視点から参考になる。話が逸れてしまったが、今回は係の中で、「Filler wordsを数える人」と担当いたのが面白かった。役割細分型職務主義だ。



メインスピーチ(僕)の他に即興スピーチのコーナー(例:あなたの好きな色は?この半年で成し遂げたいことは?など)もあったが、上手な人もいれば素人の人もいるし、英語の先生もいれば、英語を習っているESLもいるしで、色々だった。とはいえ、全体としては、就業後に自主的に参加する意識の高い人たちだ。最近思うが「意識高いセグメント」はアメリカでも日本でも考え方や行動がすごく似ている。勉強し、投資をし、運動し、ポリティカリーにコレクトだ。むしろ同じ国の中の差の方が大きい気がする。

自分のスピーチは、なんとか自分の中で80点くらいの出来で完遂。内容(文法や言葉)に意識の9割が取られてしまうので、発音やジェスチャーなどがうまくできない。今回も緊張のせいで途中から発音への注意が消えてしまった。RとL、曖昧母音などが今の課題、というか多分今後もずっと課題。

会場が超有名な教会の中だった

2017年1月1日日曜日

生活者として見た年末年始


あけましておめでとうございます。

(この場を借りて)本年もよろしくお願い申し上げます。

ボストンの街並みを望んでの初日の出

日本の年明けからかなり遅れて、ボストンもようやく初日の出を迎えた。

単に「時差がすごくある」ということなのだが、こちらでいうと「12月31日の朝に起きると日本の紅白歌合戦が始まっている」という状況なので調子が狂うことこの上ない。

2016-2017年は初めて海外での年越しを、それも生活者として、過ごした。考えてみればこれまで年末年始に国内旅行すらしたことがない自分だ。

せっかくなので、観察したことや感想を記録して起きたい。例によって長文、また、初体験づくしなもので、誤解があるかもしれない点はご容赦願いたい。

そもそも11月末の感謝祭(サンクスギビング)が想像外のイベントだった。4連休となる北米限定との風習だが、店も会社も休みになり、街が静まり返る厳粛感があり、料理も伝統的で定番のもの(アメリカのおせち料理的なものかと感じた)がある。これが日本のお正月に近いと感じた。それに続くブラックフライデーセールなどもこの感謝祭とセットで理解すべきことを知った。

そこから、1ヶ月でクリスマスとなる。この間1ヶ月間は皆は仕事はしているが、なんとなく街にホリデーシーズン感がある。クリスマスの飾りつけがすごいか?というと、この辺りの住宅街や商店は、あまり日本と変わらないかな、という程度である。



クリスマスの一週間前くらいから街は徐々に休みモードになる。小学校は意外にも22日まで普通にあった。多様性に配慮してのことだと思うが、公共の場所や商業施設ではMerry Christmas!という掲示はほとんど見なかった。Happy holidays!が相当程度の主流。ただし、25日当日になると、Merry Christmas!の挨拶は多かった。当日にこう言う分には別に良い、という感覚があるのかなと感じた。ちなみに、25日は店はほぼ休み、マサチューセッツ州ではアルコール販売も停止となるなど、休日感が凄かった。ちなみに、同時期にユダヤのお祭り、ハヌカのメッセージやオーナメントは多く見た。クリスマスの飾りつけはすぐに撤去されることはなく、年末まで維持される。すぐに正月モードになる日本とはそこは違った。

大晦日で面白かったのは、31日の夕方くらいからテレビやSNSはHappy New Year!という感じのモードとなったことだ。日本だと、0時をまたぐまではそう言わないはずなので、フライングのように思うが、文化的に時間感覚が違うようだ。そもそもが12月の終わりの時期からHappy New Year!は連発されている。

最近読んだある文章(ココ)によると、そもそも0時をまたいだところで日付が変わるというのが、近代独特の比較的新しい感覚らしい。日本人はすごく「0時」を重視しているような感じがして、これが近代にクイックに順応した民族の特徴なのかなぁなどと思った。

我が家は、カウントダウン外出などはせず、家でテレビCNNのカウントダウン番組を見ていたが、司会者の二人(ひとりはアンダーソン・クーパーという有名で素敵なキャスターなんですが)が大した芸もなくタイムズスクエアから4時間中継しているだけで、日本のテレビ番組の力の入り具合との差が大きかった。

ちなみに野球のフィールドは凍りついてしまっております


加えて、大晦日で一年が終わって何かがクリアされてまたまっさらな新年、という日本独特の「円環」的な時間感覚は、やはりこちらでは希薄なように感じた。個人的には日本の円環感覚に馴染みと安らぎを覚えますが。

正月はあっさりしたもので、元旦は祝日ではあるものの、新聞で見た統計によると正月を全く祝わない人も2割近くいるらしい。大体の人にとっては、なんでもない単なる一祝日に過ぎないとのことだ。元旦に注連(しめ)飾りが見られないことにはやはり違和感がある。今年は元旦が日曜日だったので振休で2日も休みだが、3日から小学校が普通に始まるので朝のお弁当作り業務も再開。


残りは90日程度。

元旦に撮影。酉年を意識して。

2016年10月8日土曜日

スゥイート・キャロライン - Good times never seemed so good?-


メジャーリーグの球場で歌う曲、というと7回裏の「Take me out to the ball game」が有名だ。これに加えて、ボストンレッドソックスの本拠地では、8回裏にニール・ダイヤモンドの「スウィートキャロライン」を歌う。春頃にボストン在住のマダムと話していた時にも「野球見に行って、スゥイートキャロラインとか歌って楽しいのよね〜」とおっしゃっていたので、ファンに愛されるイベントになっているのだろう。





僕が球場でこの曲を聴いた試合は、同点にされた直後の8回の裏、レッドソックスが3安打を固めて相手を突き放した後のタイミングだったので、盛り上がりも最高だった。

後から、この曲について調べてみると、二つのことが分かった。「キャロライン」とは今の駐日大使、キャロライン・ケネディのことだ。少女時代にあまりにかわいかったので、それに触発されてニールダイヤモンドがこの曲を作ったらしい。ボストンはケネディ家ゆかりの街なのであり得る選曲だとは思うけれど、日本人としては縁(えにし)を感じて嬉しい。もう一つは、この曲を球場で歌うようになったのは意外に最近(2000年以降?)らしいということ。

個人的には「この曲は歌詞の一節がとても良い。それが愛される理由なのではないか」と思った。具体的にはサビの箇所。

Sweet Caroline
Good times never seemed so good
I’ve been inclined         
To believe they never would   
Oh,Lord, no

2行目が良い。Good times never seemed so good 良い時というものは、良いようには見えないものだ。これ、ある程度歳を重ねて昔を振り返ることもあるようになった人には味わい深い言葉だと思う。

そして、I’ve been inclined to believe they never would はふた通りに解釈できる文章になっている。昔だったら入試の英文解釈の問題に出そうな感じだ。

一つの訳:僕は、良い時は良いようには見えない、という考え方そのものが違う、と思うようになってきていた。もう一つの訳: 僕は、良い時は良いようには見えないというように思うように(ますます)なってきていた。その時々で心境を重ねられるようになっている。



基本的には明るくバカっぽくみんなで合唱する曲ではあるのだけれど、この「シンプルながらも深い歌詞」がこの曲が愛される理由なのではないか。

さて、人生、Good timesは(その時にはそれほど)So goodには見えない、ものなのだろうか?

2016年9月21日水曜日

フェンウェイパークに堂々と流れる日本語レゲエ「もぐらの唄」



(最新状況では地区優勝が見えてきたご当地RED SOX。少し前の見物時の話)

8月末のRED SOX本拠地フェンウェイパークのデーゲーム。気候は涼しかったが、ゲーム内容の方は熱かった。
序盤、RED SOXの先発投手がピリッとせずダラダラと点を取られ、4対1でリードされるという重苦しい展開が続く。中盤、レゲエ頭のハンリー・ラミレスの満塁ホームランで一気に逆転して満員の地元観客は熱狂。さらに追加点も1点入れて2点リード。これで勝てるかな、という雰囲気が出たところで、中継ぎ投手が不調。8回の表にツーアウト満塁になってしまった。観客のイライラ含みのヒートはほぼ最高潮。内野席の子供・おばちゃんも、おじさんも、絶叫する。

人はレッドソックスのファンになるのではない。フェンウェイパークのファンになる。(筆者)



ここで投手交代により指名されたが、田沢純一投手。

"なんとかしてくれ…"と祈る満場のファンの大歓声を受け、右翼のブルペンから重責のマウンドへダッシュしていく姿を見て、鳥肌立った。


マウンドへ走っていく田沢投手。しびれた。


そして、この時、球場に鳴り響いている彼の入場ソングに・・・これ何だろ?日本語?と気づく。あまり明瞭に歌詞が聞き取れたわけではないが、日本語ヒップホップのような曲で、何か"三木道三"的なものを感じた。この空間(ボストン・おしゃれな球場・外国人ばかりで日本人ほぼ皆無・他の選手の入場曲は基本英語ロックかR&B)のコンテクストを考えるととっても日本的な養分が際立つ曲だ。なんで田沢はこんなKYな曲を選んでるんだ?と思ったが、この種の"空気読まなさ"は逆に異国でプロとして個人で戦うためには、必要なことなのかもしれない。

帰宅してインターネットで曲を調べてみた。すると、素晴らしい記事があったので、ぜひリンク先のこの記事を一読のうえ、興味があれば「もぐらの唄」、お聞きください。彼のキャリアと歌詞がシンクロして、家でYoutube見ながらまた鳥肌たってしまった。この曲が現地民でいっぱいのフェンウェイパークに大音量で流れているのがすごい。

この手のジャパニーズレゲエとかヒップホップはこれまでもこれからも苦手分野だとは思うが、この曲のことは忘れないだろうと思う。

ちなみに、この日の田沢投手は4球目かな、、思いきりヒットを被弾して同点にされてしまった。でも、それはどうでも良かった。プロとしてあの空間のあそこに上れる地位を自力で掴んだことだけで、プロとして素晴らしい。

試合を終えてのグリーンモンスター(グラウンドレベルより撮影)


注:あとで調べたらヤンキースの田中投手は「ももクロ」の曲らしい。これも凄いな・・・。

追記:翌日の新聞には「なんであそこで監督は田沢を出すんだよ。クローザーの好調キンブレルを出せばいいんだよ」と書かれていた。田沢批判ではなくて監督批判ではあったのでちょっとホッとしたけれど、田沢選手も今年の成績だとシーズン終盤の個人活躍がキャリア上の正念場になりそうなので頑張って欲しい。

2016年9月12日月曜日

Baseball 第3章 シティオールスター戦 -野球の季節、野球クエストの終わり-


さて、いよいよシティ・オールスター戦の日がやってきた。どんな大会なのかさっぱり分からないながらも、いつも練習していた最寄りのグラウンドが会場だったのでその点では安心だ。到着すると、父母による売店でホットドックやハンバーガーを売っていてちょっとしたお祭りムードだ。これまで半年間に出会った親御さんやコーチなどがたくさん来ている。伝統のある地域行事なのだろう。こういうところに参加できただけでありがたい。たまたま、子供がいて、野球をやっていたからこその事であり、自分自身の成果でもなんでもないのだが、とにかくありがたいことだ。

売店です。ホットドック1.5ドル。(味の問題ではく)最高にうまい。



「ユニフォームは試合当日に配る」という事だったが、グラウンドに行ったらコーチがいて先着順、みたいに適当に一つくれた。という事で、今回の背番号も「気まぐれ」に決まった。日本のチームだとユニフォームの授与式的なものもやっていたし、小学生でも背番号にはある程度重みがあったが、ここではそのあたりとてもライト(light)である。「チームが先に存在して、メンバーがそれを背負う」というような感覚はあまりなく、あくまで「個人」なのだろう。そういえば、シーズンを通じてコーチ陣は子供と同じユニフォームを(たとえ公式戦であっても)着ない、というのもアメリカと日本の違いだ。こういうところにも、何か両国の根っこの違いが反映されているのだろう。

試合開始時にちょっと驚いたのは一試合ごとに律儀に「国家斉唱(正確に言うとアメリカ・ザ・ビューティフル、の方)」と「911の犠牲者への黙祷」をした事(試合は9月10日だった)である。司会的なことをしていた審判委員みたいなおじさんがマイクでいきなり歌を独唱したのには更に驚いた。他のことは適当でもこの辺のことを揺るがせにしないというのはここの文化のだろう。

今日ばかりは審判も本物。


長男も、サードで6番で先発させてもらった。試合の方では、最終盤にうちの長男のプレーをめぐり審判の判定が覆えるという予想外の事があり、これを通じてやっぱり「野球」と「ベースボールは違う」のね、と思ったり、コーチやチームメイトの父母の皆さんから子供への熱い激励をもらったりもしたのだけれど、野球の細かい話になるので詳細はここでは控える。帰国して野球関係のお知り合いの方にお会いしたときにでもお話したい。



結局、こちらチームの練習不足がたたってか、一回戦で敗北となってしまったが、親子共々本当に良い経験をさせてもらった。

思えば、半年前には何もわからずにここに来て近所を歩いて野球少年を探すところから始めたのにも関わらず、結局オールスター戦にまで出ることができた。小さなリーグではあるけれど、日本の野球をアピールすることも多少は出来たかなと思う。リーグのコミュニティには本当に暖かく迎えてもらった。中でも、当方ジャパンとは文化がかなり違うと思われるイージーゴーイングなラテン系のファミリーからすごく応援してもらったことが印象に残る。(真逆なだけに、憧れがあるのかなぁ、とか。逆にこちらもラテン系のノリを羨ましく思う部分も多いし。)


戦い終わってタッチ



野球についてはまたここで書くかもしれないが、リーグ/試合としては一旦これで終わり。秋冬のスポーツを考えなければならない。

2016年9月9日金曜日

Baseball 第3章 シティオールスター戦  -熱血コーチとの練習-


サマーリーグも終わって、親としての少年野球サポートも一段落かと思っていたら、前に入っていたドジャースのコーチ Hugh 氏から一通のEメールが届いた。


Looks like your american baseball career might not be over yet - XXX has been invited to participate in the All-Star game this fall.

ありがたいことに、長男が秋のオールスター戦のメンバーに監督推薦で選ばれたようだ。これはもちろん本人の成果だろう。同時に、日本の少年野球の基礎トレーニングの高さを示すものだと思う。日本で1年間しっかり稽古をつけてもらっていたので、こちらでは技術で苦労することはなかった。

8月頭から一ヶ月後の本番(トーナメントで他の地域と戦う)に向けて週に二回の練習をしていくそうだ。このチームの指揮は今までとはまた別のコーチがとる。

練習が始まると、推薦されている子供達だけあって、皆、そこそこしっかりしている。メンバーは直前にあった希望者のサマーリーグとだいぶ重複していた。(細かく言うと、希望者リーグは参加費徴収、オールスターは参加費無し。こういう差異は経済格差の大きいこの国では意外に重要なポイント)

コーチの方も、オールスターに相応しく?アメリカにしては割と「厳しめ」の二人だ。ノックをしながら子供に大きな声で何事か叫んで(悲しいかな、具体的にリスニングキャッチできず・・)いる。隣に座って一緒に練習を見ていたアメリカ人ママが「そんなに大声出さなくてもいいのにね〜」なんて言っているが、僕からすると、これで日本の普通のコーチと同じかやや優しいくらいの印象だ。「日本じゃ、これくらいは普通ですよ」とはお伝えしておいた。

しかし、8月の練習には問題が…。


コーチの中でも一番真面目なリックコーチ、お世話になりました


子供の練習参加者が少ないのだ。12人ちょっとが選ばれているのだが、毎回5名くらいしか来ていない。皆、旅行に行ったりしているのだろう。コーチ陣はずっと(まあ、夏だし仕方ないか、という感じで)スルーしていたが、試合が近づいてきたある日の夜、コーチ(チャック・ノリスとドゥンガを足して二で割ったような迫力の方)から全家庭へ長文のEメールが。文面から怒りが伝わって来る。

要約すると「お前ら、地域を代表して出るというのに、この体たらくはなんだ!言い訳は聞きたくない。今週の練習には絶対来い!来れない場合は理由を俺にメールすること」という、ただまあ、僕に言わせるとこのコーチも毎回来ていたわけではないのだが。

すると、分かりやすく翌日から子供達の練習への出席率は倍増。アメリカ人、こういうところはシンプルだ。

この一連の展開、コツコツと出席している日本人としては「なんだかな〜」と思わないでもないが、「外国人は途中はスローでも締め切り直前の爆発力がすごい」と、居酒屋話で聞くような話を実際に見た気がしないでもない。


そしていよいよ、オールスター戦がやってくる。(多分、次回)

コーチからのメールに焦って?多数練習に駆けつけたお父さん軍団


追記:少年野球関連で「長文」のEメールを受け取るのはすごく珍しいことなのでインパクトがあった。コーチからのメールにはなぜ自分がこう訴えるかの論理展開がちゃんとあった。

追記2:こんな流れからも、「時間通りに動く」&「気分に左右されずしっかりコツコツ取り組む」という日本人なら比較的普通のこと、が世界の中でみると大きなアドバンテージなんだなぁ、と思う。

2016年8月27日土曜日

Baseball 第2章:Summer League で市内を転戦




(またか、と思われるのを覚悟で)再び、野球の話。

地域の小チーム、ドジャースのシーズンが終わる頃、E-メールで知らせがあった。夏の1ヶ月強、サマーリーグという市内リーグが開催されるという。志願者(トライアウトなし)のみで"10 and under(すなわち10歳以下)"のチームを作り、市内の3チームでリーグ戦をするらしい。

その日の打順をこんな風に書き出す



参加してみると、それまでのチームとは若干おもむきが違っていた。各チームから志願者が集まってきているので、本人も家族も「野球好き」度が高い。前のチームでは「集合時間などを守らない」「試合に集中していない」「道具を大事にしない」「グダグダな子供を親が見ていても放置」の傾向がある、と書いたけれども、このチームもその傾向は確かにあるが、少し「まし」になっていて、全体的にちょっとピリっとしている。それでもあらゆる面で、日本の普通の少年チームの規律水準ではない。

監督は、親御さんのうちの一人で、30代くらいの若手の人だったけど、いかにもこちらの大学の体育会運動部出身のような印象の方で、練習前に準備体操をさせたり、教育的な訓示をしたりと良い人だった。一度、うちの長男がピッチャーに登板してメッタ打ちにあった日(そんな日もある)の翌日には、平日の日中にフォローのEメールをくれたりした。

地区ごとにホームフィールドがある。ここは何気にMITの隣

このリーグは市内をホームアウェー方式で転戦するので、普段とは違う遠方のフィールドに行くことも多かった。(車の無い我が家もUBERを使えば問題無し)小さな市にも関わらず野球場はどこも立派である。しかし、実は、滞在4か月にしてもうこれに慣れてありがたみを感じなくなってきている。人間の慣れとは恐ろしいものでもある。

一つ嬉しかったことがある。日本から何も分からずに探索的にメールをしていた時に最初にメールしたチームのコーチ(このチームは結局市内の別地域だったのだ)が、試合の時に声を掛けてくれたことだ。「今年の3月に、日本からメールくれたの君だろ。北地区に日本人が入ったと聞いて、君らのことだと思ってたんだよ〜。今日対戦できて良かったよ」と言ってくれた。野球と子供が繋いでくれたご縁である。

リーグは先日最後の試合を迎え、最終戦で強敵相手にサヨナラ負けを喫した。延長の裏、ツーアウト満塁、監督が指示して前進を守備させた内野の上を相手打者の打ち上げた打球が思い切り抜けていった…。こういうシーンは、スポーツをしていれば必ず経験する。これを通じて子供が成長していくのを見守る大人の心情は、スポーツや国を問わず同じだな、とアメリカの親御さんたちと一緒に応援しながら体感した。

この後、変顔Ver.を撮影した。掛け声は「Goofy one!」



いよいよ、これで野球も終わりか…でもサマーリーグにも参加できて良かった、と思っていたら後日また新展開が始まった。またそのうち書きます。

2016年8月19日金曜日

日米の少年野球経験から考える「日本人は集団活動では"ちゃんとしてる"」の起源


日本人は(特に集団が絡むと)"ちゃんとしてる"と言われるし、僕もそうだと思う。これは幼少時から細かいことが積み重なってのことだ、と改めてこちらに来て感じた。


ここでの少年野球チーム(小学校低学年)と日本の時のチームを、体験に基づきミクロで比較して書いてみたい。


服装(ユニフォーム):日本では、ユニフォーム、練習着を全員同じように着てくるのは当たり前。ユニフォームは単なる運動着ではなく、集団への帰属を示し、指導者へのリスペクトを表す重要なシンボルである。特に野球では「一糸乱れぬ」感が求められる。対して、当地では、ユニフォームはあるが、非常にゆるい。そもそもキャップとTシャツだけしか決まっていない。下のパンツの方は自由なので、子どもによって白だったり黒だったりする。ベルトをしていたりしていなかったりもある。ユニフォームのTシャツが長すぎるということで勝手に切ってアレンジしている家もある。公式な試合なのに、なぜか違うシャツや帽子で来ている子もいる。これが許容されている背景にはおそらく、経済格差の問題もあるのだろう。細かく一式揃えることを強制することは、低所得家庭の機会を奪うことになる、という認識がありそうだ。(と思うのは、70ドルの登録費が払えない子のためのチャリティをやっているのを見たことから)あと、7歳くらいでもサングラス、ピアスもいるけど、全く自由。我が家は、最初は「ベルトがないけど、していかなくても良いのだろうか・・怒られたり、恥ずかしかったりしないだろうか」と日本的に怯えていたものだが、こちらのゆるいモードに慣れるとこれはこれで気楽で良いという心境に今ではある。




このチームの服装はかなり統制がとれている方

時間運営:日本では、集合時間は厳守が当たり前。遅刻は恥ずべきこと扱いとされる。むしろ少し前に集まって自主的に道具の準備をするのが奨励される。また、私的な旅行などを練習や公式戦を無視して入れるのは憚(はばから)れる雰囲気がある。対照的に、ここでは、集合時間は目安みたいなもので、見ていると大体10〜15分遅れくらいが基本。遅れてきても何も言われないし、特にマイナス感もない。反対に早退したりするのも、同じ感じで許容される。リーグ中でも、旅行に行ったりするのは全く問題なく、むしろ旅行の予定を先に確認される。

野球技術:日本では、キャッチボールから初めて「基本」「型」の指導がしっかりしている。また、(日本での野球史を反映してか)コーチの方々からして技術に一家言ある人が多く、普通の少年団でも技術的な指導の裾野レベルが高い。一方、こちらでは「基本」「型」は教えることもあるが、必要に応じて、気が向いた時に、という感じ。本人を尊重し、「上手い奴は自然と抜けてくるだろう。そういう奴には上のレベルのチャンスがある」という感覚がある。どんくさい奴でも基本を教えてなんとか一定のレベルまで、、という意識は感じられない。(一方で、そういう子にも試合に出て楽しむ権利は与えよう、という意識はすごく強い)


以上あくまで、ミクロで私的な比較ながら、日本人が(全体的に)集団行動に秀でているという特徴は、小学校低学年(あるいはその前)から叩き込まれたものである、ということを例証してみた。大人に目を向けて現業系のビジネスでも大体当てはまる傾向だと思う。

この日本の特徴には副作用(抑圧感や没個性)もあるだろうし、今後も誇るべきものかどうかは分からない。ただし、このくらい根っこから違うもの、ということを出発点として色々考えておいたほうが良いと思う。




追記:当然、学年やステージが上がったり、地域が違ったりすれば、状況は異なると思われることはお断りしておきます。ちなみに、こちらでも比較的高額な習い事だと、時間通り始まる傾向があります。なお、日本というのは23区内某区の普通の地域少年野球が題材です。今回の比較対象は、どちらも「普通に地域の最寄の野球チームに入ったら…」という点で共通しているのでApple to appleとは思います。

2016年8月10日水曜日

イチロー選手の3,000本安打達成は実際にどの程度の盛り上がりか


2016年8月7日、イチロー選手、メジャー3000本安打達成!ということで日本では熱い報道があったと思う。そこで、アメリカでは実際どの程度盛り上がっているのか、僕が見聞きした範囲でメモしてみたい。

そもそも野球(MLB)が、今のアメリカ人の話題や関心に占めている位置が日本ほど大きくないようにみえる。地域内のグラウンドの設置状況などを見ると、ベースボールがこの国において歴史的に特別なスポーツであることは感じるが、今は趣味が細分化しており、他にも人気のスポーツが多数ある。実際、今の時期、新聞のスポーツ欄は開幕前のアメフト(NFL)の話題がトップ扱い。野球はといえば、メジャーリーグのオールスターの視聴率は今年、過去最低だったらしい。

そういう基本的な位置付けがあるため、アメリカでイチローが国民的に人気があるというような状態はそもそもあり得ない、と思う。

本当に立派なフィールドが近所にゴロゴロしている


しかし「野球好き」な人たちは確実にいて、こういう人たちはイチローの偉業を当然知っており、評価している。具体的にいうと、当日のテレビ中継(MLB.TVで見た)では冒頭からイチローの足跡のVTRを作り「あと一本だ!」とムードを高めていたし、翌日の新聞でも大きく取り上げられていた。

身近なところでは、長男の少年野球で一緒のチームのパパ(とっても野球好きな白人ミドル。試合中であっても自分の息子につききりで打撃指導する癖あり)は、僕らが日本人だとわかると「イチローがもう直ぐ3000本安打だ。彼はすごい。42歳だろ。あんなに"痩せている"のにすごいよな」注:英単語では"skinny"と表現してました)と話してくれた。

ここのリトルリーグでは唯一の日本人として超マイノリティ生活をおくる我が家にとっては、イチロー選手(はじめ、上原・田沢といった日本人メジャーリーガー)の活躍は確実にありがたい。うちの長男は確実に勇気づけられている。少し話がそれるが、こちらでフィリピンから来た野球少年に会った。彼の国では野球はマイナーで、有名選手もいないだろうから、アメリカで野球をするのは心細かろう。それにひきかえ、日本にはすでに活躍する先人がいるのだから、恵まれた国だと思う。(子供には"野茂さんがとても偉大"と教育済みだ

小学生専用球場にナイトゲーム照明とは贅沢




大雑把にまとめると「日本ほどは盛り上がっていないけれども、別に悲観も卑下もする必要なし」という印象だ。

そもそも、何事につけ、アメリカでは日本のように東京のメディア(テレビ局&センテンススプリング?)が主導して国全体が一つの村みたいな感じで同じ話題で盛り上がる、という事がほとんどないように見える。強いて言えば「大統領選挙」と、近いところだとプリンスが死んだときとPokemon GOくらいかと思う。

とにかく(これまで特に熱心なファンではなかったですが)改めて、イチロー選手に敬意と感謝を表したい。

あと、デレク・ジーター語り下ろしの(このリンク先の)記事が良かった(日本語訳・・・勝手訳をやってるように見えるけど大丈夫なのか!?)ので、興味のある方は。

しかし、この記事で知った事ながら、ジーターは自らこんなWebサイトを主宰してたのか。何がしたいのか?ビジネス?お金は十分稼いだろうに、よく分からない展開だ…。




2016年7月31日日曜日

マイナーリーグ:ローウェル・スピナーズ(Lowell Spinners)の試合で、アメリカの原点を見る



ローウェル(Lowell, 人口10万人)はマイナーリーグのシングルA、スピナーズ(レッドソックスの傘下)というチームのホームタウンだ。5月頃ケンブリッジで出会ったボストニアンから「メジャーもいいけど、野球が好きなら、マイナーリーグを見に行くといいよ。そこに本当の野球がある」と言われたこともあり、試合観戦を計画した。このスピナーズは、およそあらゆる情報が氾濫している日本語のインターネットでも記事をほとんど見つけるのことができない超ローカルチームだ。

地域の少年野球リーグがこの国のベースボールの裾野の底辺だとすれば、フェンウェイパークのRED SOXが頂点だ。今回の観戦は、その真ん中を埋める位置付けと言える。 これまでの勉強と仕事から学んだリサーチ手法として「両極端を見た上で、中間を見る」のは物事を把握するのに良い方法だと思っている。
古い工場の煙突が見えたりして風情のあるボールパーク


スピナーズの球場へは簡単に到着した。メジャーの球場に比べればコンパクトで、どの客席からもフィールドが圧倒的に近い。ピッチャーが球を投げ込む音、バッターが打つ音、がとてもリアルに聞こえる。これだけでも、かなり気分が盛り上がる。

飲食持ち込み禁止はフェンウェイと同じルールだが、中の食事もフェンウェイよりもちょっとお買い得な価格設定。なんと専用のアプリがあり、これを使うと、席まで食事を運んでくれるサービスもある。ちなみに、入場料は一人10ドルと格安だ。ビールは7ドルくらい。ハンバーガーセットドリンク込みで10ドルくらい。

グラウンドレベルかぶりつきで見ることも可能
選手の給料が低いことで有名なマイナーリーグ(年収200万円以下)も基本、独立採算であるらしく、試合を見ていても様々な経営努力が端々に感じられた。ただし、それらが全て「お金かけずに楽しもう」という方向で行われていたのが爽やかだった。各イニングのインターバルには余興があるのだが、全てお金かけないでやる工夫もの(ホットドックの早食い競争、ムカデ競争など)で徹底している。また、公式戦にもかかわらず審判は二人だった。日本の小学生の試合ですら三人、四人の審判でやってるのにもかかわらず。試合の後はKids Base Runということで、球場を解放して子供がフィールドを走ることができる。これは、子供にとっていい想い出になるだろう。総合的なValue for moneyで考えると、(異なるエクスペリエンスだから単純比較はいけないが)メジャー観戦よりも良い気がした。これぞ庶民の楽しみだと思う。


試合は、スピーディーに2時間10分程度で終わった。公式サイトによると選手たちは試合の後(17時試合開始で、終了は19時過ぎ)、翌日の試合(遠征)のために長距離バスで移動したとか。マイナーリーグは過酷だ。この過酷さを乗り超えると、最低年俸4000万円のメジャーが待っている、という大きな格差がいかにもアメリカ(企業における社員報酬にも通じる?)だと思う。 



ここからメジャーへ上がった選手の名前のリスト。This is the American Dream.













2016年7月15日金曜日

がんばれドジャース! -2- ドジャースのシーズン終わる



長男が割り当てられたチームはリーグ内のドジャースというチームだった。以前に書いた通り、ここでは基本的にリーグとしての一体運営の色彩が強いが、それでもチーム別にチームカラーらしきものはあった。我らがドジャースはリーグ内でも「ラテン系比率高い」&「ほぼ全員が野球素人」というのが特徴だった。前回記事で紹介した傾向はこれにより拍車が掛かっていたと思われる。








ところが、うちの長男はチームカラーとは対照的に「日本的でストイック系」&「野球オタク」という人材だ。自然、メンバーと気持ちが噛み合うはずもない上に、彼には「英語がわからない」という言葉の壁がある。親として試合を見ていると、長男にとってはフラストレーションが溜まる場面が多いのもよくわかった。チームメンバーの大半が試合に負けてもあまり気にせず、試合中からゲームそっちのけでバスケットボールで遊んではしゃぎまわる中で、一人、敗戦の悔しさに涙目の日本人、という構図になる。そういう状況でも「野球好き」というだけで切り込んでいく積極的な長男のキャラクターは一体誰に似たのか、と思わざるをえない。(まだ柔軟性の勝る低学年なのも奏功したのだろう)


逆にラテン系軍団の立場に立ってみれば「レクリエーションなのに、なんであのJapaneseはいきり立ってるんだ」と思っている可能性もある。言葉が通じないことに加えて、気持ちが通じない難しさも感じた二ヶ月だった。とはいえ、それでハブられるような事はない。どころか、打席に立つと自発的に応援歌を歌ってくれる気のいいチームメイト達だった。試合への集中力はとても低いのに関わらず、試合に勝ったら「WE WON!!」と無邪気に大喜びしていて「なんだ、君ら実は勝ちたかったのか~」と思ったものだ。


また、我らがドジャースは他のチームに比べてひときわギャラリー(観客)が多かった。これは、ラテン系は親族の絆が固い、と異文化理解の教科書に書かれていることの実例だった。明らかに選手の子供の親ではない「おじ」「おば」「親の友達の近所の人?」までフィールドで来て声援を送っている。そして大概スペイン語で会話をしている。カトリックの影響か子沢山で兄弟も多く、弟妹がフィールドの周りではしゃぎ回っていた。そして、このギャラリーの人々も彼らにとって「謎の東洋人」であるはずのうちの子供にも分け隔てなく声援を飛ばしてくれた。


たったの2ヶ月のリーグ&言葉の壁もあるので「良い友達ができた」というほどではない。それでも、異国から来た少年をあっさりと暖かく受け入れてくれ、笑いあり涙ありの経験の場を提供してくれた伝統あるこのリーグへの感謝の念は尽きない。おかげで、親としても仕事などでは交わることの難しい地域社会やアメリカのダイバーシティというものを感じることができた。

写真撮影なのに遅刻者多数。ドジャースらしい。

結局、ドジャースは、5チームのリーグ中4位で終戦してしまった。最終戦の後、コーチは「君らは良くやった。来年はもっと良くなるぞ」と訓示してくれた。日本人的な感覚からすると「それ本当?まずは、生活態度からもっとピシッとしないと!」と思わないでもないが、それでも一緒に野球をやってくれたメンバーの今後の健闘と成長を願わずにはいられない。

「野球シーズンは2か月で終わりか…短いね」とやや呆然としていた頃、「サマーリーグ」という名称の市内全域リーグへのお誘いをいただいた。うちの野球小僧の判断は…聞くまでもなく「参加!」といことで、また少し趣の違うリーグへの参加をすることになる。野球話、またそのうち書きます。

2016年7月12日火曜日

がんばれドジャース!-1- 地元少年野球リーグの現場から



長男が入った低学年野球チームの名前はドジャース。リーグ内のチーム名は、メジャーリーグの実在チームを適当に割り当てているだけで、深い意味は無いらしい。ただし、地元RED SOXだけは使われていない。これは争いを避けるための配慮だろう。

日本で少年野球をやっていた僕ら家族としては、このチームで、数々のカルチャーショックに出会った。



まず、人が時間通りに集まらない。コーチからEメールで1630分から練習、とあったので10分前に行っても誰もいない。どころか、17時に前になっても誰も来ない。コーチそのものが17時くらいにようやく登場。すると段々、メンバーが集まってきて、1740分くらいから試合開始という展開が基本。日本だと、先に集まって準備をして「定刻には整列して挨拶」が基本であることを考えると、大きな違いだ。だらしない?ことこの上ない気もするが、カルチャーとして適応していくことにした。

そして、コーチがとても優しい。バッティングピッチャーをしているコーチ(キャッチャーは居ない状況)が、持ち球を使い果たしたら、自らホームベース付近まで行って球拾いしている。その間、子供は打席に突っ立ったまま。日本だったら「こら、突っ立ってないでおまえが拾わんかい!」となるところだが、そうならない。また、それを親が見ていても親も「あなた拾いなさい」とは言わない点もびっくりした。コーチといえば、日本では母親が「お茶出し」などをするのが基本だと思うが、こちらではそういう活動はほぼ無かった。(シーズンの最後に寄せ書きを渡す程度)

それから、試合中のお菓子とベンチからの脱走多数。低学年ということもあり、「試合に集中する」ということが出来ない。試合中にベンチを出てお菓子を食べたりジュースを飲んだり、バスケットボールで遊んだり、とやりたい放題。これも日本とは大違いだ。ただし、この差は周りの大人の違いだと思われる。日本でも低学年は集中力が低いのは同じだが、コーチや親が指導してなんとかする。しかし、ここのチームではコーチは「一応」注意はする、程度。親は放置。「うちの子がだらしなくて恥ずかしい」という親側の感覚はほぼ無いように見受けられた。これも非難ではなく、あくまで「興味深い」として観察した。

最後に、道具に対する扱い。こちらの子は、グローブを投げる蹴る、バットも足蹴にする。文化として「モノ」に対する感覚が違うだけ、と頭では分かっていつつも、こればかりは日本人としては居心地が悪い。これだけは子供に真似をさせないように気をつけた。(試合中、律儀に「バット引き」をしてるのはうちの子供だけだった)



以上、リーグの他のチームにも見られる傾向だが、たまたまうちが所属したチームはこうしたカラーが濃かったようだ。(徐々にその事が分かってきた。次回でその理由に触れる)

ルール以外に文化がこれだけ異なる中でも、小学生3年生の長男は「野球が好き」という気持ちだけを原動力に、そんな環境の中に言葉も分からないままに突撃していくのだから、子供のつよさ、スポーツの力を感じた。

とはいえ、現実は甘いことばかりでもない。

次回へ続く。

追記:記事タイトルは、名作映画「がんばれ!ベアーズ」より。この映画も渡米の予習として事前に見ていったのだけれど、この予習には大いに意味があった。昔よくテレビで再放送されていた映画なので「昔、見たかも」という人が多いと思いますが、大人の皆さんにも再見をお勧めしたい作品です。

2016年7月4日月曜日

フェンウェイパークは「全米で最も愛される(最も高価な)球場」-2- 「最も高価な」編。


メジャーリーグを扱った「Money Ball」という映画が好きだ。 RED SOXの本拠地フェンウェイパークはこの映画の最後の重要な舞台として登場する。そこでの文脈は、RED SOXには辣腕で金のある経営者がいて、主人公(ビリー・ビーン)を引き抜こうとする、というものだった。これが暗示している通り、RED SOXの球団経営は洗練・高度化されている。

古いけど綺麗、な球場

それは球場を見てもすぐに分かった。古くて狭い球場だが、設備投資が継続的になされていることが感じられる。また、限られた席数の中で少しでも収益を上げるために最大限の工夫がされている。実際、外野席も狭くてきつい。稼ぎを極大化するためだろう。実際、外野の特等席は一つの席一試合10万円で取引されることもある。


入場料金はメジャーリーグの中で一番高い。外野でも40ドルくらいは当たり前。さらに、対戦相手ごとに人気に応じて異なるように設定されている上、一列毎に違うくらいの勢いで席の値段が細分化されており「最大限稼ぐぞ」という経営者の意欲を感じる。(注:これは、リセールサイトのStubhubでの話なので、厳密にはRED SOXの経営ではないのだが)

偶然にもマリナーズの先発は岩隈



また、ディズニーランド方式というべきか、ペットボトルのドリンクすら持ち込み禁止で、中で買わないといけない。日本の球場のように缶ビールは入り口でカップに移して…などはありえない。それで、内部では水のペットボトルが4.5ドル、ハンバーガー一個10ドル。生ビール10ドル。ちなみに、ビールは、年齢証明のIDがないと売ってくれない。入場券以外に一人30ドル以上は使わせよう、というマーケティングサイドの強い意思を感じた。うちが持って行った水筒とおにぎりはお目こぼしだったので助かった。


夕暮れのグリーンモンスター。(今回の席からは見えづらかった)


それにしても、こういう値段では、庶民は気軽に楽しめないと思う。(ボストン市民の半数以上は、年収は350万以下と新聞記事で読んだ。)「昔は外野席は1ドルくらいで入れたもんだよ。今は狂っている」と、とある古参ファンの方が嘆いていた。


それでは球場に来られない人はテレビで見れば良いか、というと、レッドソックスの生中継を見るためにはそれなりに高額なケーブルテレビのチャンネルを月額契約をしなければいけない。この局が「独占企業」であるために値段が高止まりしてる。仕方ないので、うちはMLB.TVの契約をしてネットで見る程度。(しかも、ネットだとホームチームエリアでは生中継は見られないようにIPでコントロールしている。本当に収益に貪欲な人達だ。)野球観戦は「庶民の娯楽」ではなくなりつつあることを肌で感じた。短期的には収益は上がるかもしれないが、将来的に向けた裾野の拡大は大丈夫なのだろうか。

フェンウェイパークがアメリカの一つの象徴だとすれば、こうした収益への飽くなき貪欲性、格差社会の部分も含めて象徴してしまっている部分もあると感じた。

2016年7月1日金曜日

フェンウェイパークは「全米で最も愛される(最も高価な)球場」-1- 「最も愛され」編。


僕はこちらに遊びにきて来ているわけでもないので、普段はほぼ主夫業と勉強だけの規則正しい地味な生活を送っており、いわゆる「観光」はあまりしていない。こちらに来てから、3ヶ月近く経ち、初めてRED SOXの本拠地「フェンウェイパーク」へと出陣する運びとなった。渡米前には「チケットが手に入りづらい」と聞いていたが、Stubhubというリセールサイト(このサイトがまた米国独特で興味深い、米国プライシング戦略事情としてでも別の回にまとめたい)で普通に入手できた。







訪れた日は、天気が最高で、フェンウェイパーク全体の雰囲気が良く、"聖地とはこういうものか"と感動した。先日読んだ当地Botston Globeの記事には“most beloved” (and most expensive) ballpark との形容があったが、まさにそうだった。


夕方のプレーボール。空の変化が最高。


今回の記事は、前者= most belovedについて。

試合前の国歌斉唱から始まって、球場の雰囲気自体が一つのエクスペリエンスになっている。日本と明らかに違う観客のノリは素直に楽しい。気候の良い金曜日の夜で観客は超満員。僕らの座った外野席の近くには「アメリカには居ない」と聞いていた野次オヤジが居た。この人が、RED SOX打者が外野フライを打ち上げたら相手チームの外野手に"Drop it!"と叫ぶ。併殺打を打った味方打者には"Son of a bitch!"と叫ぶ。神宮球場の阪神ファンを思い出す感じだ。野次ではあったけれど、陽性で嫌な感じはしなかった。

それから印象的だったのは、6回ぐらいのインターバルで One Directionの"What makes you beutiful"が流れた時にみんなが異常に盛り上がって合唱になったことだ。なぜこのアメリカの象徴みたいなところでこの曲(イギリスのアイドルの4年前のヒット曲)?、という疑問はあったものの息子に聞くと、小学校の教室でもこの曲を聞いたことあるそうだ。「定番曲」化しているらしい。確かに我が家も日本に居た頃から家で時々聞いていたくらいだし、名曲ではある。この曲が収録されているOne Directionのこのアルバム全体、結構名盤だと思います。



メジャーリーグでの定番曲、7回裏前の"Take me to the ball park"も歌ったが、これも長男によると2ヶ月足らずの通学生活で既に授業で教わった、という。外国から来た小学生にまずこの歌を教える、という事が興味深い。念のため、米国国歌「星条旗よ永遠なれ!」を習ったか?と聞いたら、それは今の所習っていないそうだ。「Baseballは移民国家である米国民を統合するツールであり象徴」だとこの(リンク先の)本で読んだ事があるが、それが思いだされた。

ボストンはかなり寒い上に、季節によっては曇りや雨も多いので、「天気が良ければ」という条件節は外せないが、総合的な感想としては、ボストン訪問の機会があればフェンウェイで試合を見る価値はあると思う






次回、最も「高価な」編。