(最新状況では地区優勝が見えてきたご当地RED SOX。少し前の見物時の話)
序盤、RED SOXの先発投手がピリッとせずダラダラと点を取られ、4対1でリードされるという重苦しい展開が続く。中盤、レゲエ頭のハンリー・ラミレスの満塁ホームランで一気に逆転して満員の地元観客は熱狂。さらに追加点も1点入れて2点リード。これで勝てるかな、という雰囲気が出たところで、中継ぎ投手が不調。8回の表にツーアウト満塁になってしまった。観客のイライラ含みのヒートはほぼ最高潮。内野席の子供・おばちゃんも、おじさんも、絶叫する。
人はレッドソックスのファンになるのではない。フェンウェイパークのファンになる。(筆者) |
ここで投手交代により指名されたが、田沢純一投手。
"なんとかしてくれ…"と祈る満場のファンの大歓声を受け、右翼のブルペンから重責のマウンドへダッシュしていく姿を見て、鳥肌立った。
マウンドへ走っていく田沢投手。しびれた。 |
そして、この時、球場に鳴り響いている彼の入場ソングに・・・これ何だろ?日本語?と気づく。あまり明瞭に歌詞が聞き取れたわけではないが、日本語ヒップホップのような曲で、何か"三木道三"的なものを感じた。この空間(ボストン・おしゃれな球場・外国人ばかりで日本人ほぼ皆無・他の選手の入場曲は基本英語ロックかR&B)のコンテクストを考えるととっても日本的な養分が際立つ曲だ。なんで田沢はこんなKYな曲を選んでるんだ?と思ったが、この種の"空気読まなさ"は逆に異国でプロとして個人で戦うためには、必要なことなのかもしれない。
帰宅してインターネットで曲を調べてみた。すると、素晴らしい記事があったので、ぜひリンク先のこの記事を一読のうえ、興味があれば「もぐらの唄」、お聞きください。彼のキャリアと歌詞がシンクロして、家でYoutube見ながらまた鳥肌たってしまった。この曲が現地民でいっぱいのフェンウェイパークに大音量で流れているのがすごい。
この手のジャパニーズレゲエとかヒップホップはこれまでもこれからも苦手分野だとは思うが、この曲のことは忘れないだろうと思う。
ちなみに、この日の田沢投手は4球目かな、、思いきりヒットを被弾して同点にされてしまった。でも、それはどうでも良かった。プロとしてあの空間のあそこに上れる地位を自力で掴んだことだけで、プロとして素晴らしい。
試合を終えてのグリーンモンスター(グラウンドレベルより撮影) |
注:あとで調べたらヤンキースの田中投手は「ももクロ」の曲らしい。これも凄いな・・・。
追記:翌日の新聞には「なんであそこで監督は田沢を出すんだよ。クローザーの好調キンブレルを出せばいいんだよ」と書かれていた。田沢批判ではなくて監督批判ではあったのでちょっとホッとしたけれど、田沢選手も今年の成績だとシーズン終盤の個人活躍がキャリア上の正念場になりそうなので頑張って欲しい。
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