2016年7月15日金曜日

がんばれドジャース! -2- ドジャースのシーズン終わる



長男が割り当てられたチームはリーグ内のドジャースというチームだった。以前に書いた通り、ここでは基本的にリーグとしての一体運営の色彩が強いが、それでもチーム別にチームカラーらしきものはあった。我らがドジャースはリーグ内でも「ラテン系比率高い」&「ほぼ全員が野球素人」というのが特徴だった。前回記事で紹介した傾向はこれにより拍車が掛かっていたと思われる。








ところが、うちの長男はチームカラーとは対照的に「日本的でストイック系」&「野球オタク」という人材だ。自然、メンバーと気持ちが噛み合うはずもない上に、彼には「英語がわからない」という言葉の壁がある。親として試合を見ていると、長男にとってはフラストレーションが溜まる場面が多いのもよくわかった。チームメンバーの大半が試合に負けてもあまり気にせず、試合中からゲームそっちのけでバスケットボールで遊んではしゃぎまわる中で、一人、敗戦の悔しさに涙目の日本人、という構図になる。そういう状況でも「野球好き」というだけで切り込んでいく積極的な長男のキャラクターは一体誰に似たのか、と思わざるをえない。(まだ柔軟性の勝る低学年なのも奏功したのだろう)


逆にラテン系軍団の立場に立ってみれば「レクリエーションなのに、なんであのJapaneseはいきり立ってるんだ」と思っている可能性もある。言葉が通じないことに加えて、気持ちが通じない難しさも感じた二ヶ月だった。とはいえ、それでハブられるような事はない。どころか、打席に立つと自発的に応援歌を歌ってくれる気のいいチームメイト達だった。試合への集中力はとても低いのに関わらず、試合に勝ったら「WE WON!!」と無邪気に大喜びしていて「なんだ、君ら実は勝ちたかったのか~」と思ったものだ。


また、我らがドジャースは他のチームに比べてひときわギャラリー(観客)が多かった。これは、ラテン系は親族の絆が固い、と異文化理解の教科書に書かれていることの実例だった。明らかに選手の子供の親ではない「おじ」「おば」「親の友達の近所の人?」までフィールドで来て声援を送っている。そして大概スペイン語で会話をしている。カトリックの影響か子沢山で兄弟も多く、弟妹がフィールドの周りではしゃぎ回っていた。そして、このギャラリーの人々も彼らにとって「謎の東洋人」であるはずのうちの子供にも分け隔てなく声援を飛ばしてくれた。


たったの2ヶ月のリーグ&言葉の壁もあるので「良い友達ができた」というほどではない。それでも、異国から来た少年をあっさりと暖かく受け入れてくれ、笑いあり涙ありの経験の場を提供してくれた伝統あるこのリーグへの感謝の念は尽きない。おかげで、親としても仕事などでは交わることの難しい地域社会やアメリカのダイバーシティというものを感じることができた。

写真撮影なのに遅刻者多数。ドジャースらしい。

結局、ドジャースは、5チームのリーグ中4位で終戦してしまった。最終戦の後、コーチは「君らは良くやった。来年はもっと良くなるぞ」と訓示してくれた。日本人的な感覚からすると「それ本当?まずは、生活態度からもっとピシッとしないと!」と思わないでもないが、それでも一緒に野球をやってくれたメンバーの今後の健闘と成長を願わずにはいられない。

「野球シーズンは2か月で終わりか…短いね」とやや呆然としていた頃、「サマーリーグ」という名称の市内全域リーグへのお誘いをいただいた。うちの野球小僧の判断は…聞くまでもなく「参加!」といことで、また少し趣の違うリーグへの参加をすることになる。野球話、またそのうち書きます。

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