2016年7月31日日曜日

マイナーリーグ:ローウェル・スピナーズ(Lowell Spinners)の試合で、アメリカの原点を見る



ローウェル(Lowell, 人口10万人)はマイナーリーグのシングルA、スピナーズ(レッドソックスの傘下)というチームのホームタウンだ。5月頃ケンブリッジで出会ったボストニアンから「メジャーもいいけど、野球が好きなら、マイナーリーグを見に行くといいよ。そこに本当の野球がある」と言われたこともあり、試合観戦を計画した。このスピナーズは、およそあらゆる情報が氾濫している日本語のインターネットでも記事をほとんど見つけるのことができない超ローカルチームだ。

地域の少年野球リーグがこの国のベースボールの裾野の底辺だとすれば、フェンウェイパークのRED SOXが頂点だ。今回の観戦は、その真ん中を埋める位置付けと言える。 これまでの勉強と仕事から学んだリサーチ手法として「両極端を見た上で、中間を見る」のは物事を把握するのに良い方法だと思っている。
古い工場の煙突が見えたりして風情のあるボールパーク


スピナーズの球場へは簡単に到着した。メジャーの球場に比べればコンパクトで、どの客席からもフィールドが圧倒的に近い。ピッチャーが球を投げ込む音、バッターが打つ音、がとてもリアルに聞こえる。これだけでも、かなり気分が盛り上がる。

飲食持ち込み禁止はフェンウェイと同じルールだが、中の食事もフェンウェイよりもちょっとお買い得な価格設定。なんと専用のアプリがあり、これを使うと、席まで食事を運んでくれるサービスもある。ちなみに、入場料は一人10ドルと格安だ。ビールは7ドルくらい。ハンバーガーセットドリンク込みで10ドルくらい。

グラウンドレベルかぶりつきで見ることも可能
選手の給料が低いことで有名なマイナーリーグ(年収200万円以下)も基本、独立採算であるらしく、試合を見ていても様々な経営努力が端々に感じられた。ただし、それらが全て「お金かけずに楽しもう」という方向で行われていたのが爽やかだった。各イニングのインターバルには余興があるのだが、全てお金かけないでやる工夫もの(ホットドックの早食い競争、ムカデ競争など)で徹底している。また、公式戦にもかかわらず審判は二人だった。日本の小学生の試合ですら三人、四人の審判でやってるのにもかかわらず。試合の後はKids Base Runということで、球場を解放して子供がフィールドを走ることができる。これは、子供にとっていい想い出になるだろう。総合的なValue for moneyで考えると、(異なるエクスペリエンスだから単純比較はいけないが)メジャー観戦よりも良い気がした。これぞ庶民の楽しみだと思う。


試合は、スピーディーに2時間10分程度で終わった。公式サイトによると選手たちは試合の後(17時試合開始で、終了は19時過ぎ)、翌日の試合(遠征)のために長距離バスで移動したとか。マイナーリーグは過酷だ。この過酷さを乗り超えると、最低年俸4000万円のメジャーが待っている、という大きな格差がいかにもアメリカ(企業における社員報酬にも通じる?)だと思う。 



ここからメジャーへ上がった選手の名前のリスト。This is the American Dream.













0 件のコメント:

コメントを投稿