2017年3月2日木曜日

第二言語学習の科学とImmersionとLA LA LAND


本記事で言いたいことは「"LA LA LAND”を娘と映画館に見にいって嬉しかった」ということだけなのですが、照れ隠しがてらに前置きとして英語教育・勉強話をつけました。長くてすみません。

この1年間は自分と子供を使った「第二言語学習」の実証実験的な期間とも振り返ることができる。

ちょうど滞米10ヶ月目くらいのタイミングで名著とされる『外国語学習の科学ー第二言語習得論とは何か』を読んだら、自分たちが経験したり不思議に思っていたことがズバリ整理されていて大変有益だった。

この本においても、以前に読んだ元エール大学の斉藤先生の『世界の非ネイティブエリートがやっている英語学習法』の本でも、共通して強調されているのは語学学習におけるImmersion(イマージョン 解説はココ)のパワーである。

Immersionは唯一の解ではないし、Immersionだけでは不十分なのだが、この方法にはパワーがある、ということは自分たちの経験からも実感できる。

子供は学校で一日6時間のImmersionをすると英語脳になって帰ってくるし、自分も合宿に参加して6日間24時間英語しか使えなかった時は少しだけレベルアップした気がした。

ちなみに、ここケンブリッジ市の小学校には”SEI”という外国人の子供向けの英語クラスがあり、子供もそこに通っている。この名称は"Sheltered English Immersion”の略だ。科学的な知見を用いて教育を行うことに熱心なこの市がクラスの名称にImmersionを使っているのだ。

とはいえ、Immersionは留学や海外生活といった特殊な状況が揃わないとなかなか実現できない。

そこで代替的な方法として思い浮かんだのが「映画館で英語の映画を字幕なしで見る」ということ。「大画面・大音量に没入して英語を浴びる」のは英語のImmersion学習だ!という解釈だ。

これはこじつけているだけで、実際は「字幕なしでほとんど意味が分からず落ち込むだけ」だったりするのだが、やらないよりはいいと思う。

残念ながらアカデミー賞は逃してしまったが、娘(幼稚園年長)も「見たい!」ということなので一緒に"LA LA LAND"を見に行ってきた。(家でよく親にサントラを聴かされていることが原因かと思料)

ハンバーガー屋さんの看板が授賞式の混乱をネタに。


Immersionの効果はともかく「一緒に映画館で”LA LA LAND”を見た」という経験がPriceless。


ちなみに『外国語学習の科学』内で説明されている知見として、アメリカに移民してきた子の英語取得度合いは、親のアメリカ「文化」の選好度合いに比例する、というものがある。スペイン系や中国系だと、「アメリカ文化」を気にせず家で母国語のテレビだけ見て暮らすことも可能であり、そういう家の子供は英語の取得が遅いそうだ。当たり前すぎて知見というほどのことでもない気がするが、そういう点では子供の英語学習に貢献できているかなとは思う。 (事実としては、貢献どころか、ある部分ではもう抜かされつつあるが。)

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