2016年9月17日土曜日

スクールバスが来ない事件 -イントロ-


今住んでいるここケンブリッジ市は、公立小学校への通学にスクールバスが完備されている。これは「居住地域」と「学校」を対応させないため、さらにいうと、生徒の社会経済的(socio-economical)背景のダイバーシティを学校間でバランスさせるため、と聞いた。こういう「介入的」なガバメントはアメリカの中でも珍しい、という話も大学関係の方が話していたから多分本当だろう。バスの運行は、民間へのアウトソーシングがされており、学校そのものが運営しているわけではない。

このバス通学には色々悩まされる。こちらの方が書いているBlogやSNSによるとウチだけではないようだ。

予定時刻からの遅延は仕方ないにしても、学校とバス運営会社の間の連絡が雑なようで、頼んでいるのにこなかったり、頼んでいないのに来たりということもある。早く来た上にいなくても無視して発車、なども時々ある。日本的な「几帳面で真面目な」感覚では考えられない。僕などは、日本の中でも「しっかり運営」で知られるインフラ企業のグループに関与しているから、この雑さには驚きの連続だ。ピリピリしても仕方ないので、郷に入っては郷に従うしかない、とは思ってる。

ちなみに、軌道に乗っている時はそれほどひどくないが「期の変わり目」「休み」などの特別期間などになると運営クオリティが明らかに下がる傾向がある。どうやら、ここのシステムは、日本のように「出だしからキッチリやる」というようなことが苦手なようだ。小難しくいうと、そのような特殊なトランジション期間を完璧にするために必要なコストは放棄しており、その間の多少の混乱は仕方ない、と社会全体が割り切っているような気がする。

などと、僕のしょうもない社会評論を開陳するよりも、次回の記事で、我が家も真っ只中にあった具体的な「新学期のスクールバス騒動」を紹介してみたい(続く)



追記:ここの市でも走っているこのスクールバスは、これまで見てきた色んなアメリカ映画を思い起こさせてくれる。最初にこのバスを見たときには「うわ、本当に(映画で見ていた)これが走ってる」と思ったもの。印象的なのはなんといっても The Dark Knight(2008) 冒頭の銀行強盗シーン。これを映画館(今はなき新宿のミラノ座)で見たことが僕の映画館通い趣味の出発点になった

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