2016年12月6日火曜日

Are you kidding me?(まじで?)


ここ数年、僕は中年の身に鞭打って英語力の向上に努めてきた。しかし、こちらにきても結局大した向上が実感できず、このあたりがオレの限界か・・・、と諦め(悟り)気味の最近だ。

それはさておき、今回は、子どもたち(9歳と6歳)の英語の身につけ方を観察してきたことを少し記録しておきたい。

彼らはほとんど英語を知らない状態(できる範囲で少し馴染ませることは東京でやった)でアメリカにやってきた。4月にこちらのパブリックスクールの外国人向けクラスに編入させた時に学校の先生が言った。

「私たちも教えるけど、子どもは同じクラスの別の子どもから英語を学ぶのよ」

この言葉は何か印象深く残ったが、8ヶ月経過後の今は、これが本当だとよくわかる。

もちろん、先生たちが英語を教えてくれる術も立派なものだが、家で子どもの口からポロポロ出てくる英語を聞いていると、「あ、クラスルームの友達同士の会話でそういうフレーズが出ているんだな」と感じるものが多い。以下、概ね時系列的に出てきた順。


  • Can I see ?
  • Look! Look at that!
  • Do it! 
  • Stop it, XXX!(ここにクラスの問題児の名前が入る) 
  • Don't do that. 
  • I hate〜. 
  • Can I eat?  (数ヶ月すると、Can I のバリエーションが広がっていく)
  • Can you bring this? 
  • Stop saying that.
  • Over here? 
  • What are you doing?
ああ、笑えるかな小学生男子だな、と思うのは、
  • What the heck! (なんてこった! FXXXの変形らしい What the hellという子もいるよ、とのこと。これとにかく小学生男子の間で頻発するらしい)
  • Are you kidding me?  (お前なめてんの?)
  • Are you crazy? (オメー、頭おかしくね?)

の三つをかなり早い段階で覚えてきたこと。

三単元のSとか全くお構いなしにこういう言葉から先に覚えていくのが見ていて面白い、というか羨ましい。

A:"Are you kidding me?(なめてんだろ?)"
B:"No, I'm not.(なめてないよ)"
A:"You are!(いや、お前なめてる)"

のやりとりみたいな、とてもシンプルな単語だけながらも「英語がフィジカルに体に入ってないと絶対にできない会話」を聞くにつけ、受験英語、ガリ勉英語一本できたおじさんとしてはせつない。

ちなみに、発音は当然いい。これは下の娘の方が良い。特にRとLが明快に分かれている。幼稚園で、一音づつフォニックスの指導をしてくれているらしい。発音が良すぎて何を行ってるか聞き取れない時がある。

子どもの言うことが、文法的に間違っていることは結構ある。ただし、これは絶対に指摘しないようにしている。たとえば、"Can I playing a Pokemon GO?"などというが、全く直さない。僕は基本的に押し付けがましい、あまり指導適性の無い親だと自覚しているが、これだけは注意している。(追記:子供の証言によると、クラスの子の中には、Mr. Trump is don't OK. とか言っている子(南米から来たばかり)もいるらしい)

こちらで「子どもの英語教育」について外国人に相談すると「家庭内で親子で英語で話す」というのが究極のアドバイスのようだ。街や近所で注意深く観察すると、韓国人や北欧系の親子は、親子だけの時でも二人で英語で話しているのを見かける。

日本人のご家庭でも、こうしているご家庭が時々いらっしゃるようだが、少数だと思う。親の覚悟の問題なのだろうか。

逡巡しつつも、僕も、学校の行き帰りくらいは子どもの英語にお付き合いさせていただいている。





2016年12月3日土曜日

ボストンで聞いているラジオ局 -2-


前に書いた記事に続いて、こちらで聞いているラジオ局をご紹介。




ヒット曲を扱うステーション。R&B、ヒップホップなど。ウーバーで、黒人でいい車に乗ってるドライバーがよく聞いている感じ。僕も若作りして時代についていくためには、この局も時々聞かねばならない。(誰にも頼まれていないのだが)
ボストンのクラッシック音楽局、なので、当然ボストンフィルのシンフォニーが中心。それはそれでいいのだけれど、この局だけだと少し疲れる。
いわゆるNPRラジオで、ボストンパブリックライブラリーにスタジオがある。基本的にニュースやトークショーなので聞き取りとしてはハードルが高い。ヒアリングの修行になる。


この局は正直、ボストンとは関係ないのだが、クラッシックについてはLondonから発信しているこの、Classic FMが一番落ち着く。これまでいろいろなクラッシック局を聞こうと試したてきたけれど、結局、日本にいた時から長年聞いているこの局に回帰してしまう。ブリティッシュアクセントなナビゲートと落ち着いたジングルの組み合わせにしっかり慣れてしまった。特に、ここに引っ越してきて気分が落ち着かない4月の頭頃は、日本でよく聴いていたこの局の聞くことでかなりリラックスした。この曲を流すと、部屋の空間がすぐに「馴染みの雰囲気」になるのがありがたい。日本にいた時も感じたことだが(朝は朝っぽく、夜は夜っぽく放送しているので)Londonとの時差が無ければ最高なのだが。

インターネットで聞くラジオ以外では、"Amazon Prime Music"と自分で構築した10000曲の"iTunes Match"も適宜活用している。

加えて、東京時代からヘビーリスナーだった、TBSラジオもこちらでも引き続きよく聞いている。どうやって?というところもそのうち紹介したい。

それにしても我が事ながら過剰な体制だ。音楽とラジオの話は尽きない・・・。

2016年11月30日水曜日

エグゼクティブスクールのダイバーシティ


ケンブリッジは、とても多国籍な市でもあるし、選挙の結果でも「社会の分断」が話題になっているから、徒然なるままにダイバーシティの事を再考することが多い。

最近もMITのエグゼクティブスクールに出席した際に改めて考えた。

クラスには、およそ20か国の人がいて、自分が話した記憶があるだけでも、アメリカ、ドイツ、ペルー、ブラジル、中国、インドネシア等々の人がいた。業種的にも組織ステージ的にもとても多様だったのだけれど、冷静に考えると、実はこれ「ダイバーシティが豊富」なのではなくて、同質的な集団なんだな、ということに気がついた。



まず、皆「英語」を話している。すごく当たり前のことだが、国籍問わず英語ができないとこのクラスに参加できない。第二言語の人も多いので程度には差はあるが全員英語を話す。

次に、ITを使いこなしている。ほとんどの参加者がノートパソコン、タブレット、スマホの三種類を使っていた。Appleがやや多いがサムソンとsurfaceもよく見かける。(残念ながら、日本製のラップトップはもはや見かけない)

僕は日本で、日本人だけで行う同種の研修もよく見たけれど、少なくともガジェット(機器)の活用については日本以上な印象。先進国の人だろうが新興国の人だろうが、おじさんも女性もITを駆使している。ちなみに、Apple watchが10人に1人くらいいる。年代層を考えると結構高い比率だと思う。新しいものに貪欲&お金があるのだろう。

「英語とIT」15年くらい前から大前研一先生あたりが指摘していたことそのままで、当たり前といえば当たり前ではある。

ちなみに、研修中に、忙しそうに会社に返信している人もチラホラ。これは、日本でも見た光景だ。

そもそも、皆、ビジネス界の幹部で、わざわざMITの高額なスクールの特定テーマ(今回はイノベーション)に参加する人である。俯瞰的に見ると、とっても狭い人種なわけで、単純に「地理的に世界中から集まっているからダイバーシティが高い」とは言えない、と改めて思った。

高額なだけあって、ケータリングも豪華。


一応、思うだけでなく、クラスの中でもでもそう提起してみたら、参加者も、それはそうなんだよね・・・、と言ってくれた。(ただし、話がそこで止まってしまった・・・。この現状をどうハンドルするか、実はあまり答えが無いようでもある)

2016年11月27日日曜日

市のホールでみんなでU2を合唱する会 -2-



前の記事からの続き。

ライブが始まった。ステージ上にはファミリー合唱団が登壇し、それと観客が一緒に歌うという趣向。ちなみに客層は富裕そうな白人家族が中心。登壇する合唱編成は曲によって変わる。




セットリストとしては、Angel of harlem, I still haven't what I'm looking for, 40, Wild honey, Beautiful day, One, Mysterious Ways, With or Without you, Sunday Bloody Sunday, Pride, All I want is you....などなど。懐かしめの選曲が多く、自分も含め、みんな歌える名曲ばかり。欲をいえば、Walk onとかBadも入れて欲しかった。

U2の膨大なディスコグラフィーの中から、ゴスペル系、アメリカルーツ系を選んでいる感じ。欧州風の曲は外している感じで、U2の曲は本当に幅広いなぁと改めて感心する。それぞれコーラス用にコンパクトに良いアレンジがされていた。

それにしても、U2が提示してきた価値観とは逆のことを言う大統領が登場する現実のタイミングで、これらの曲を歌うとなると、嫌が応でも、歌詞の意味を意識してしまう。

たとえば、Sunday Bloody Sunday(1983年発表)より。
And the battle's just begun

There's many lost, but tell me who has won

The trench is dug within our heartsAnd mothers, children, brothers, sisters

Torn apart 

Sunday, Bloody SundaySunday, Bloody Sunday

How longHow long must we sing this songHow long, how long 
Cause tonight, we can be as one

Tonight, tonight. Tonight, tonight
この時のアメリカのリベラル派の気分にかなり合致してしまっている。

この会自体では政治的な話はなかったけれど、歌詞カードを見ながら頭を抱えている人がチラホラいた。司会の人が「先週(注:大統領選挙の開票日のこと)、私たちは an intresting experieceをしましたね」などと言っていて、この地域の政治的なことに対する公の場での婉曲表現はこんな感じなのか、と勉強になった。アメリカ人だからといってなんでも直接的にいうわけではない。

ちなみに、Pride (in the name of love)の際には、世界の人権状況の改善に尽くした偉人(ガンジーとかMLKとか)をスライドで流しながら歌うという演出があり、これはU2もライブで実際にやっていたことではあるのだが、地域の草の根でのイベントでこういう精神を実際に目の当たりにすると「本当に凄いものだな」と思う。

会場の市の公会堂

おまけ:Pride





2016年11月25日金曜日

市のホールでみんなでU2を合唱する会 -1-


9月、近所の公園をジョギングしていたら、掲示板に衝撃的な張り紙を見つけた。

U2の活動40周年を記念して、みんなでU2を歌おう」というイベントがあるらしい。ご当人たちが来るわけでもない勝手イベントだ。僕は20年以上のU2ファンなので「この街はなんでこんな面白いイベントするの?」と興奮してしまった。

言うまでもなくU2はアイルランドのバンドであり、ボストンとは特に関係がないはずなのだが、やっぱり「(リベラル)思想的に」繋がっているのだろうか、と思う。

社会人になりたての頃、ボーナスでU2のライブDVDを買うのを楽しみだった。中でも傑作は"Live in Boston"だとこれまで思ってきたが、改めて考えてみるに、世界のあらゆる都市でライブを行うU2がボストンを商品として発売したのは偶然ではないのかもしれない。ボストンはアメリカでもっともコアなU2ファンが集まる街であるかもしれない、と住んでみて気がついた。ちなみに、収録されたライブ会場は今はTDガーデンという名称になっており、NBAとNHLの本拠地である。

加えて、このライブの当日は、トランプ氏当選の翌日、というタイミングになってしまった。いろんな意味で楽しみすぎる。

日が短く弱くなって、15時前だけどもはや弱い日差し


午後3時から市の公会堂で、ということで会場に着いてみると家族連れでいっぱい。現場でみると「U2ファンの集い」というよりも「主催のコーラスグループの集い」という側面が強いようだ。

当日歌う曲の歌詞が印刷されたカードまで配られて、否が応でもみんなで歌おう感が高まる。

開始前には、"Pride (in the name of love)"の歌唱指導から。サビをハモれるように指揮者が指導してくれる。この選曲が「いかにもこの地域らしい」と思う。

この曲は公民権運動のヒーロー、マーチン・ルーサー・キング・ジュニア牧師を歌ったものだ。話はライブからそれていくが、当地に住んでみて、MLKが東部インテリリベラル白人にとっていかに特別な存在か、ということを実感している。ケンブリッジ市には名前を冠したMLK通り、MLK小学校もあるし、普通の学校に普通にMLKのポスターが貼ってある。黒人ではなく、白人が積極的に讃えているのだ。こういうところで、ここはいわゆるポリティカリー・コレクトネスの本場だと肌感覚で実感する。


小学校の体育館に普通に貼ってあります。(これもMLK)

前置きが長くなってしまったので、ライブの話は次の記事へと続く。





2016年11月22日火曜日

ボストンで聞いているラジオ局 -1-


日本にいる頃からラジオを聴くのが大好きで、東京の家でもジョギング中でもよく聞くし、出張に行った時に当地のローカル局を聴くのも好きだ。札幌、盛岡、名古屋、大阪、いろいろ聞いてきた。ラジオがいいのは、季節感を感じられることと、その土地独特の息吹が分かることだ。(スマホで聴けるようになって便利)

ボストンに引っ越してきた時も、真っ先にラジオ曲の探索を始めた。タクシーやウーバーに乗る時に、運転手さんが何をかけているかを欠かさず観察する、あるいは尋ねてみることをマメに重ねた。

その結果、今では以下のようなラジオステーションを家でよく聞いている。PCをBluetoothでスピーカに繋いでいるだけなので、日本でも聴くことができる。最近は、サンクスギビングモードが感じられ、クリスマス色も出てきている。

家の雰囲気を作る、英語に慣れる、ためにも海外のラジオを流しっぱなしにするのは良い方法だと思う。


局の名前にリンク入れてます。

Easy 99.1

Easy.99.1 WPLM FMは懐かしの洋楽中心で、ディスクジョッキーのおしゃべりも適度にあり、全体に古き良きアメリカのラジオ局という感じがいい。季節感のあるボストンの情報やローカルCMも入るので、地域感が濃い。何より、40代の洋楽ファンにとっては「絶妙」と感じる選曲が多い。流れる曲になんとなくアリー・myラブの世界観を思い出す。"Hooked on a feeling"とか"Love is in the air"みたいな感じの曲を沢山かけてくれて、雰囲気がいい。

引っ越し3か月後くらいにこの局を見つけて以降、今では一番多く聞いている。平日の午後からは帰宅するドライバー向けの番組、夜は、恋愛相談の電話コーナー、日曜日の夜は「ストリクトリー・シナトラ」とか言って、フランク・シナトラだけをかける番組、など生活の一部になりつつある。子供によると、学校でもこの局を聞いた(サウンドステッカーでわかる)そうだ。




Magic 106.7 Boston

Today's hit's, Yesterday's Favorite という局のキャッチフレーズ通り、新曲と懐メロを交互にかけてくれるという音楽好きにとってはありがたい局。ちなみに、ボストン以外にもこういう局はある。ただし、比率的には懐かしの洋楽が中心。クリスマスシーズンになると一気にクリスマスソングが多くなる。(これは多くのラジオ局がそうだが。)Easy 99.1を見つける前にはこの局をメインにしていた。


さて、ラジオは自分の中でも大きな趣味なので、クラッシック専門局、日本のラジオをアメリカで聞く、など、まだまだラジオの話は続く。

ハーバードCoop書店での2016BEST。師走(じゃないのか・・・)の雰囲気も。

2016年11月19日土曜日

地上から見た、選挙結果の影響


リベラルCity、ケンブリッジ市に衝撃が走った選挙の後の10日間。街の中をよく観察するように心がけて過ごしたので、自分の目で見たことを記録しておきたい。

全体的に、静かではある。有色系の人々の表情や挙動は暗いものを感じる。逆に、街の大多数を占める白人の人たちが、うちのようなアジア系に少し優しく気を遣ってくれている感じがした。あくまで主観なので証明のしようはない。

近所では、西海岸やNYのニュースにあるような激しいプロテストの感じはない。表向きは黙々としており、公の場では選挙の話題に触れないようにしている雰囲気を感じる。アメリカ人の本当に親しい人同士では話しているのかもしれない。自分のような余所者はアメリカ人とは選挙の話題をしづらい。逆に、外国人同士だと割と気楽に話せるのだが、まあ、誰とでも「信じられんね」「恐ろしいね」という感想にはなる。

中立を意識してこういう言いまわしになる@MIT 虹色


ハーバード、MITとも総長が声明を出しているが、バランスに配慮した抑制的な内容だった。(いわゆる、トランプ支持者を抑圧するリベラル、といった一方的な論調ではない感じ。)今週はちょうど、市内のキャンパスを回る機会もあったが「アジビラ」的なものはほとんど見かけない。大学の外の街の中でもそういうビラは見かけない。品の良い街だと思う。

先週は子供の小学校に行って担任の先生と話す機会もあった。この学校は(普通の公立なのだが)リベラル教育に力を入れていた。(例えば、図書館にで一番目立つところにあるポスターはローザ・パークスとか。)やはり動揺は隠せないようで、セラピー的な試みを見かけた。先生に「大統領選の結果について教室で話していますか?」と聞いてみたら、隙のない洗練された中立的答え(でも、言外に何かを感じる)をいただいたのが印象的だった。回答のガイドラインが教育委員会から回っている可能性も感じた。

地元インテリ紙、ボストングローブは、反トランプの論調を緩めるつもりはないようだ。むしろ「アメリカの伝統である地方自治の原則に戻り、地方の自治を貫こう」といった論説を乗せていた。これは、今のリベラル地帯に広がっている代表的な意見かもしれない。特にBostonは、アメリカの先頭を切って歴的に色々なことを変えてきた事実もあり、そういう気概はあるようだ。

最後に、事実として、これまで7ヶ月一度も見たことがなかった「ヘイト落書き」を地下鉄で初めて見た。市内でのヘイト事案も幾つか起こっているとのローカル紙報道もある。日本の公衆トイレにも落書きはあるから、過剰に考えたくはない。(そういえば、予備校のトイレの落書きが特にひどかった。ストレスが落書きを産むのか・・)

日本の報道を見ていると、新大統領は決まったこと、として早々に消化されているような感じもするが、現地にはそれとは少し違う感覚があるし、解消されるとも感じられない。

関係ないけどBostonの良いところにユニクロがオープンした