前の記事からの続き。
ライブが始まった。ステージ上にはファミリー合唱団が登壇し、それと観客が一緒に歌うという趣向。ちなみに客層は富裕そうな白人家族が中心。登壇する合唱編成は曲によって変わる。
セットリストとしては、Angel of harlem, I still haven't what I'm looking for, 40, Wild honey, Beautiful day, One, Mysterious Ways, With or Without you, Sunday Bloody Sunday, Pride, All I want is you....などなど。懐かしめの選曲が多く、自分も含め、みんな歌える名曲ばかり。欲をいえば、Walk onとかBadも入れて欲しかった。
U2の膨大なディスコグラフィーの中から、ゴスペル系、アメリカルーツ系を選んでいる感じ。欧州風の曲は外している感じで、U2の曲は本当に幅広いなぁと改めて感心する。それぞれコーラス用にコンパクトに良いアレンジがされていた。
それにしても、U2が提示してきた価値観とは逆のことを言う大統領が登場する現実のタイミングで、これらの曲を歌うとなると、嫌が応でも、歌詞の意味を意識してしまう。
たとえば、Sunday Bloody Sunday(1983年発表)より。
And the battle's just begun
There's many lost, but tell me who has won
The trench is dug within our heartsAnd mothers, children, brothers, sisters
Torn apart
Sunday, Bloody SundaySunday, Bloody Sunday
How longHow long must we sing this songHow long, how long
Cause tonight, we can be as one
Tonight, tonight. Tonight, tonight
この時のアメリカのリベラル派の気分にかなり合致してしまっている。
この会自体では政治的な話はなかったけれど、歌詞カードを見ながら頭を抱えている人がチラホラいた。司会の人が「先週(注:大統領選挙の開票日のこと)、私たちは an intresting experieceをしましたね」などと言っていて、この地域の政治的なことに対する公の場での婉曲表現はこんな感じなのか、と勉強になった。アメリカ人だからといってなんでも直接的にいうわけではない。
ちなみに、Pride (in the name of love)の際には、世界の人権状況の改善に尽くした偉人(ガンジーとかMLKとか)をスライドで流しながら歌うという演出があり、これはU2もライブで実際にやっていたことではあるのだが、地域の草の根でのイベントでこういう精神を実際に目の当たりにすると「本当に凄いものだな」と思う。
会場の市の公会堂 |
おまけ:Pride
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