2016年11月19日土曜日

地上から見た、選挙結果の影響


リベラルCity、ケンブリッジ市に衝撃が走った選挙の後の10日間。街の中をよく観察するように心がけて過ごしたので、自分の目で見たことを記録しておきたい。

全体的に、静かではある。有色系の人々の表情や挙動は暗いものを感じる。逆に、街の大多数を占める白人の人たちが、うちのようなアジア系に少し優しく気を遣ってくれている感じがした。あくまで主観なので証明のしようはない。

近所では、西海岸やNYのニュースにあるような激しいプロテストの感じはない。表向きは黙々としており、公の場では選挙の話題に触れないようにしている雰囲気を感じる。アメリカ人の本当に親しい人同士では話しているのかもしれない。自分のような余所者はアメリカ人とは選挙の話題をしづらい。逆に、外国人同士だと割と気楽に話せるのだが、まあ、誰とでも「信じられんね」「恐ろしいね」という感想にはなる。

中立を意識してこういう言いまわしになる@MIT 虹色


ハーバード、MITとも総長が声明を出しているが、バランスに配慮した抑制的な内容だった。(いわゆる、トランプ支持者を抑圧するリベラル、といった一方的な論調ではない感じ。)今週はちょうど、市内のキャンパスを回る機会もあったが「アジビラ」的なものはほとんど見かけない。大学の外の街の中でもそういうビラは見かけない。品の良い街だと思う。

先週は子供の小学校に行って担任の先生と話す機会もあった。この学校は(普通の公立なのだが)リベラル教育に力を入れていた。(例えば、図書館にで一番目立つところにあるポスターはローザ・パークスとか。)やはり動揺は隠せないようで、セラピー的な試みを見かけた。先生に「大統領選の結果について教室で話していますか?」と聞いてみたら、隙のない洗練された中立的答え(でも、言外に何かを感じる)をいただいたのが印象的だった。回答のガイドラインが教育委員会から回っている可能性も感じた。

地元インテリ紙、ボストングローブは、反トランプの論調を緩めるつもりはないようだ。むしろ「アメリカの伝統である地方自治の原則に戻り、地方の自治を貫こう」といった論説を乗せていた。これは、今のリベラル地帯に広がっている代表的な意見かもしれない。特にBostonは、アメリカの先頭を切って歴的に色々なことを変えてきた事実もあり、そういう気概はあるようだ。

最後に、事実として、これまで7ヶ月一度も見たことがなかった「ヘイト落書き」を地下鉄で初めて見た。市内でのヘイト事案も幾つか起こっているとのローカル紙報道もある。日本の公衆トイレにも落書きはあるから、過剰に考えたくはない。(そういえば、予備校のトイレの落書きが特にひどかった。ストレスが落書きを産むのか・・)

日本の報道を見ていると、新大統領は決まったこと、として早々に消化されているような感じもするが、現地にはそれとは少し違う感覚があるし、解消されるとも感じられない。

関係ないけどBostonの良いところにユニクロがオープンした

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