9月、近所の公園をジョギングしていたら、掲示板に衝撃的な張り紙を見つけた。
「U2の活動40周年を記念して、みんなでU2を歌おう」というイベントがあるらしい。ご当人たちが来るわけでもない勝手イベントだ。僕は20年以上のU2ファンなので「この街はなんでこんな面白いイベントするの?」と興奮してしまった。
言うまでもなくU2はアイルランドのバンドであり、ボストンとは特に関係がないはずなのだが、やっぱり「(リベラル)思想的に」繋がっているのだろうか、と思う。
社会人になりたての頃、ボーナスでU2のライブDVDを買うのを楽しみだった。中でも傑作は"Live in Boston"だとこれまで思ってきたが、改めて考えてみるに、世界のあらゆる都市でライブを行うU2がボストンを商品として発売したのは偶然ではないのかもしれない。ボストンはアメリカでもっともコアなU2ファンが集まる街であるかもしれない、と住んでみて気がついた。ちなみに、収録されたライブ会場は今はTDガーデンという名称になっており、NBAとNHLの本拠地である。
加えて、このライブの当日は、トランプ氏当選の翌日、というタイミングになってしまった。いろんな意味で楽しみすぎる。
日が短く弱くなって、15時前だけどもはや弱い日差し |
午後3時から市の公会堂で、ということで会場に着いてみると家族連れでいっぱい。現場でみると「U2ファンの集い」というよりも「主催のコーラスグループの集い」という側面が強いようだ。
当日歌う曲の歌詞が印刷されたカードまで配られて、否が応でもみんなで歌おう感が高まる。
開始前には、"Pride (in the name of love)"の歌唱指導から。サビをハモれるように指揮者が指導してくれる。この選曲が「いかにもこの地域らしい」と思う。
この曲は公民権運動のヒーロー、マーチン・ルーサー・キング・ジュニア牧師を歌ったものだ。話はライブからそれていくが、当地に住んでみて、MLKが東部インテリリベラル白人にとっていかに特別な存在か、ということを実感している。ケンブリッジ市には名前を冠したMLK通り、MLK小学校もあるし、普通の学校に普通にMLKのポスターが貼ってある。黒人ではなく、白人が積極的に讃えているのだ。こういうところで、ここはいわゆるポリティカリー・コレクトネスの本場だと肌感覚で実感する。
小学校の体育館に普通に貼ってあります。(これもMLK) |
前置きが長くなってしまったので、ライブの話は次の記事へと続く。
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