2016年6月26日日曜日

ケンブリッジ市の小学校<興味深いその運営>






こちらの小学校の運営を見ていて当初の2か月強で「面白いな」と思ったことをいくつか。

以下、あくまでケンブリッジ市での個人的な体験に過ぎず、"アメリカの小学校はこうだ!"などと理解したわけではないことを強調しておきたい。マサチューセッツ州はアメリカの中で独特で、「その中でもここの市は独特!」と現地の知識人の皆さんは言う。余裕があれば、行政の仕組みを研究したいところだ。



さて、こちらの小学校は親のボランティア募集が多いとは以前から聞いていたけれど、実際に多い。「遠足の引率として同行しませんか」とか「バザーの手伝い」などのスポットのものもよく募集される。また、定常的なボランティアとしては、Googleアンケートを使った細かい意向集計(どういうものに関与したいかの聴取)があった。それくらいならあまり驚かない(注)が、ある時「補充教員採用の選考プロセスに参加しないか」と、親への誘い(E-mail)がきたことには驚いた。役割的には履歴書の審査への関与ということで、間接的な役割ではあるものの、「そういう風に親をステークホルダーとして意識しているのね」という驚きがあった。

教室。机は円形。討議重視の象徴か?



また、PTA的な組織で「ステアリングコミッティー」というものがある。5月くらいに夏休み明けの来期分について親メンバーの立候補の募集が来た。5名の定員に対して10名の立候補があり、しばらくすると全員分の所信表明を子供が持って帰ってきた。皆さん所信をA4一枚分くらい書いている。「私はグーグルでニューロサイエンティストとして働いている」と経歴でかましてくる人もいれば、過去の実績をアピールしている人もいる。出身でいうと、ブラジル、イスラエル、オーストラリアなど色々。これを読んだ上で、在籍生徒一人あたり、家庭からの「二票」で投票する。夫婦で意見が違う可能性に配慮しているのだろう。日本だと、「家庭で一票(夫唱婦随かその逆かは家庭次第として)」となる気がする。また、これが両親限定ではなくて、Extend-Familiyでも良いと書いてある。(その家庭がSingle Parentでも二票を行使できる、という意味。)この辺りの配慮がいかにもここらしい気がする。

小学2年のクラス内係表。いきものがかり的な。

秋の新学期からは、自分も何らかのボランティアとして関与したいと思っている。

注:「Googleアンケートくらいでは驚かない」とはいえ、「アメリカ(ここ)と比較すると日本のPTAなり小学校関係はITあまり使わないなぁ」と自分の限られた経験からは思う。これについては、ある方から「今の実権の主婦世代が、会社でWindows 95の一人一台PCを使う経験をしないままに結婚退職したからだ」という説を聞いたことがあって、「それは要因の一つとして大きいかもな」と感じた。だとすれば、時間とともに変わるとは思います。

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