2016年6月18日土曜日

バレエスクールの待ち時間に日本企業で働いた外国人から率直な意見を聞く



子供の話として長男の野球の話が多くなってしまったが、娘の方はバレエが好きで日本でも習っていた。こちらでも続けようと、バレエのスクールを探していくつかの教室を周った。ケンブリッジ市内のとあるスクールに体験レッスンに行ったところ、同じクラスのアメリカ人の父娘さんが、なぜか我々を見て強く反応してきた。何と、つい2ヶ月前まで東京の日本企業に数年間勤務していて、ボストンに帰ってきたばかりだという。(麻布のあたりに住んでいたらしい)

女性ばかりのバレエ教室のレッスンが始まり、クラスのドアが閉じられて締め出されたおじさん同士二人で、40分ほど諸々話をすることになった。彼は「好きな食べ物は、広島焼き。お好み焼きじゃないよ!あの麺が入ってる方!」というほどの日本通であり、加えてとても理知的な感じだった。(あとで名刺をもらったらPh.Dだった)

彼の勤務先は某財閥系日本企業(いわゆる「コテコテの・・」です)だった。北米人としてその会社の日本オフィスで働いた存在としては草分け、になるらしい。日本企業に流行の「グローバル人材活用」の一環だろう。「日本の会社のこと、本音ベースでどう思った?」と聞いてみたところ以下のことを教えてくれた。


ヘンだと思ったところの第一としては「長時間働くところ。会社にいる時間が長い人が評価されているようにみえる。結果として、評価と成果のリンクが明確でない。」第二としては「酒を飲まないと本音を言わない。結局、酒が強い人が有利」と言う。割とステレオタイプな批判がそのまま二つ出てきた。日本企業のために数年間頑張ってくれた外国人の率直な感想がこれだった。このあたりは僕の専門でもあり、すでに理解していた話ではあるのだけれど、地球の裏側で偶然出会った人にまで言われると改めて「やっぱりそこか…」的な思いは禁じえない。

反対に、「良い」と感じたところとして教えてくれたのは「とにかく粘り強い。こちらの人なら諦めるところでも、しつこくやって成果につなげる」という点。確かに、野球でもバレエでも子供(特に低学年)に対する習い事指導を見ていると、日本ではかなり小さい段階から「粘り強さや規律を教えているな」と感じるが、こちらではそういう指導は非常に少ない。こちらでは「小さい子は好き勝手で当たり前」という前提が共有されているように見える。補足説明をすると、日本ではそうだった、ということはこちらの様子を見ることによりこちらに来てから事後的に認識した。幼少期から形成された特質が企業レベルでも残っているとも言えるのかもしれない。才能や年齢に関係なく、とにかくみんなで真面目に努力しようとするのが日本人的なのか。



ちなみに彼は「食事は東京が最高だね。新橋の居酒屋懐かしい。あと、ワイフは"ココ壱番屋"と"てんや"を恋しがってるよ」と話してくれた。確かに「てんや」みたいなクオリティと値段は、こちらの外食事情と比較すると奇跡とすら思える。ここ(ケンブリッジ)の外食事情が乏しい・高いとは決して言いたくはないけれど、飲食店に関しては日本、東京は最強過ぎる。

0 件のコメント:

コメントを投稿