2016年4月14日木曜日

日本も登場していたThe Boston Globeのトランプ候補パロディ号



先の日曜日、当地の新聞、The Boston Globeの日曜版がボストン地域を超えてネットでちょっとした話題になっていた。それは、「もしトランプが大統領になったら・・・の新聞一面」をフェイクとして実際に作り、トランプ候補の批判を行ったからだ。このあたりの詳しい紹介はこの先のリンクなどを参照してください。

我が家では宅配購読を頼んではいないので、散歩の帰りに新聞を買って実際に読んでみた。日曜版はどっさり分厚く3.5ドル(400円くらいですか、高いですね。売店でのバラ売りだからかとも思いますが)。すると、この「フェイクの一面」の中で、おそらく日本までは情報が届いていない部分に目がとまった。

移民問題、ISIS、貿易、中国、などにトピックが割かれていて、紹介報道で取り上げられていたのはその辺りだけど、日本も紙面下の方の小さめのベタ記事の一つとして取り上げられていた。それが以下の記事(画像に赤丸したところ)。




Japanese Emperor Akihito formally censured Ambassador Kid Rock for a speech calling on US allies to " Let the [expletive] business guy run the [expletive] country like a [expletive] business"

抄訳:日本の明仁天皇がキッド・ロック駐日大使の同盟国に対する暴言(放送禁止用語連発)に対し、公式に非難した。

ボストン・グローブはインテリが読む、とされるリベラル高級紙だそうだが、日本の一番偉い人=天皇明仁、くらいの認識なのだろうか、それに「天皇は政治的発言をしない」ということを編集者は分かっていないのか、と、一読した当初は、ちょっと憤るような感想を持った。その後、少し冷静に考えてみると、書き手はその事は分かっていて、あえて(遂にそういう位置付けの陛下までがおキレになった、という意味での)相当な強烈なパロディを狙っているのかも知れない。僕にはどちらかは分からない。いずれにしてもこの事案、ちょっと面白い情報だとは思うけれども、日本のマスコミは報道していないように見える。話題が話題だけに敢えてスルーしたか、それとも気がついていないのか、どちらだろうか。せっかくだから?報道しておけば良いと思うのだけど。

そういえば最近、日本では食品メーカーが「おバカさんをやらかした芸能人」をちょっと揶揄?するCMを流しただけで企業が謝罪に追い込まれる事態があったとのことだけど、パロディというものに対する覚悟が大分違うな、とは思う。

ちなみに、このパロディ記事の裏面では「共和党はトランプを止めよ(GOP MUST STOP TRUMP)」として硬派な論陣が展開されている。この英文がまた妙に格調高くて、読んでも分からないところが多く(僕も結構英語勉強してるんだけど、まだダメだなぁと)気持ちが萎えてしまうのだが、最後の一文は"It is better to lose with principle than to accept a dangerous deal from demagogue."「(共和党は)煽動者との危険な取引をするくらいなら、原理原則を守って敗れた方がマシだ」と結ばれているのはわかった。

お説教としては勇ましい。けれど、こういう説が「きれいごと」だとある意味では"バレて"しまって、世の中広くに通用しなくなっているのは最近、洋の東西を問わず共通の現象かもしれない。そもそもトランプ支持層の多くは新聞を読んでないから、もはやこうしたジャーナリズムそのものに意味がない、という識者も多い。ちなみに、FacebookThe Boston Globeの本件についての投稿のコメント欄を見てみると、トランプ支持者も殺到していて「この一面が実現して構わないんだよ!」「こういう下らんことしてるから新聞は滅びるんじゃ」などとコメントしていた。アメリカ(そして世界の)前途はどうなるのでしょう。


滞在の年が大統領選挙に重なる。これからどうなるのか興味をもって見ていきたい。

インテリの多い?ケンブリッジ市内の散歩ではリベラル色の強いバーニー・サンダース候補支持のサインを多く見ます。というかそれ以外はほとんど見かけません。(目撃数と有権者の支持数とはダイレクトに比例はしないとは思いますが)

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