英語・英語教育のトピックスは僕自身も関心があるし、このブログに書くとアクセスも多いようなので今回もその話を詳し目に。
先日、子供の学校からのお手紙で「おたくのお子さんが今月、(外国人向けの)英語の統一テストを受けますよ」というお知らせがあった。その説明会があったので参加してきた。
以下のような事らしい。
小学校一年生以上のESLは年に一回、1月末ごろに、OnlineでACESS for ELLs 2.0 という仕組みを使ってテストをする。このテストを受ける事は義務である。
- リーデイング、リスニング、ライティング、スピーキングの4技能領域の力をそれぞれ測定。テストはPCで半日がかり。
- 生徒の回答に反応して随時問題難易度が変わるAdoptive方式。(あまりにも難しいと子供がやる気をなくしてしまうので)
- ゲーム的な感じで「テスト」っぽくはない。
- 問題は一度しか出ないので、集中力は必要。また休憩はあるが長丁場なので前の日によく寝るなどの対策は必要。
- ライティングは、1から3年生はペーパーに手書き。4年生以降はタイピング。
- 4年生以降のライティングは、算数的な要素も入るIntegrated taskである。
- スピーキングはヘッドセットでマイクに話すタイプ。音声データを人のアセッサーが判定する。
- 結果は4技能の領域ごとに5段階で判定。4技能の組み合わせにより、総合スコアも算出される。通常、ESLクラスの子はレベル2とか3であることが多い。
- この市では、この結果で、Compositeで5レベル、かつWとRが5だと、隔離クラス卒業して普通扱いになる。要求基準はかなり高い。(この基準については専門家内でも議論があり変わることもある)
- 様々なファクターが関連するので、平均で何年でここに到達するとは言えない。ただし、3年くらいでクリアする子も居る。
- 学力を測るためのものではない。英語のクラス分けと、先生達が指導法を考えるためだけを目的としていることを親にはよく理解してほしい。
- 付け焼き刃の事前対策などは必要ない(むしろ有害なのでしないでほしい)。前の日よく寝てリラックスして受けて欲しい。
細かい仕組みや時期は州ごとに違うらしく、上記は基本的にここマサチューセッツ州の話となる。
以上を聞いて僕が思ったのは大学(院)留学に必要な「TOEFL(特にiBT)」と全く同じで、その小学生向けバージョンなんだね・・・という事。
アメリカのESLは小学生からこんなテストを必須で年に一回受けている、ということだ。(より深く理解するためには、大人もTOEFLを受けてみると良いと思う。高くて難しいけど。でも子供に英語の勉強を期待•強要するなら、まずは大人から…)
ちなみにこの説明会には、同じ学校に通う「外国からアメリカに来ている非英語ネイティブ」の親が40名近く来ていたが、この人たちは「普通に」英語を(第二外国語として)話しており、こちらとしては軽い劣等感を禁じ得ない。ヨーロッパ系の人は母語と英語との言語距離が近いから有利なんだろうけれども。。
こうした現実から色々なことを考えさせられる。
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