2016年12月15日木曜日

ボストン名物、いたるところでコンテクストに応じた"All set"


ボストンには"All set"という独特の頻出表現がある、と、日本にいた時から知っていた。

具体的には、英語学習者用のPodcast「All Ears English」の中のとあるエピソードで聞いた。前もって知っていたおかげで、こちらで現地人の"All set"との発声を最初に聞いた時にはすぐに分かった。「あ、本当に言うんだ」という感じで受け止めることができた。耳学問とはいえ、予習は役に立つ。



それにしても。引っ越してきてこちらで暮らしていると、とにかく街の中(少なくともケンブリッジの街)の日常で"All set"が予想以上に連発される。これには驚いた。街中にいると一日に一回以上は必ず聞くイメージだ。
店に入ってブラブラしていると店員さんが掛けてくる第一声が"Are you all set?"。何か商品の説明を聞いて終わると"All set?" 会計して終わるとレシートを渡しながら店員さんが"All set.(下げのイントネーション)"。イントネーションのバリエーションが豊富なのがポイントだ。店員だけではない。買い物客の方が探し物を相談していた店員に対して退店する時に"I'm all set."と目配せしながら言って帰るのも見た。君たち本当に"All set"が好きだな、と思う。調べてみたらボストンには All Set Restaurant & Barという店まである。

"All set"とは、文字通り、「O.K.」「セットされました」「分かった」「問題ない」というような意味だとの事だ。お笑い芸人好きの僕としては、ねずっちの「整いました」を思い出す。"All set"の 意味的なニュアンスはその場面場面のコンテクストに依存しており、それをイントネーションや表情に反映して使われているようだ。




"ザ・ハイコンテクストコミュニケーション"の国「日本」から来た僕には意外に嬉しくなるコミュニケーションだ。かつて、僕は講師として、異文化間コミュニケーションに触れて「アメリカ(英語)は低コンテクスト依存のコミュニケーションなんですよ」などとバサっと説明したこともあったけど、単純ではないなと思う。

さて、このAll setは意外に言語のイマージョン教育に良い言葉かも、ということを思いついたので、子供に英語を教える一環として、家の中で「しかるべきタイミングで、all setを使おうプレイ」をやってみた。歯磨きした後、何か説明をしたなどに「Are you all set?」「I'm all set.」という感じで家の中でも"All set"を連発してみている。確かにこの言葉、シンプルなのに幅広く使えるので、なかなか便利だ。子供が、英語の感覚をつかむ助けになれば、と願う。

なお、この"All set"は、ボストンの方言的なものだという説があり、米国内でも他のエリアではあまり言わない、少なくとも他のエリアでは当地ほど使わない、という情報を見る。どうなのでしょうか。

ちなみに、冒頭に紹介したPodcastは日常英語の勉強に役立つので、こちらでも聴き続けている。パーソナリティのうちの一人がボストニアンで、あるエピソードでボストン方言が話題になっていた。なお、他には、ボストンはRの舌の巻きが弱いということと、bummerという単語が紹介されていた。

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