2016年4月30日土曜日

ケンブリッジ市のリトルリーグ(少年野球)への参戦 -2- アメリカ野球人との出会い


渡米間もないわが家は車を持ってないために、日々の気晴らしに乏しい。加えて、立派な野球フィールドが住居から近いことがわかった。自然と、野球小僧の要望によりほぼ毎日歩いて野球場へ通い自主練をすることとなった。これはこれで健康的でいい。しかも美しい天然芝の上という贅沢だ。

しかし不審なことに、4月10日前後になっても、フィールドが野球の練習に使われている様子がない。野生の水鳥がのんびりとくつろぎ、犬の散歩をする人がいるのみだ。丹念に英語の看板をチェックしたのだが、特に私有施設との張り紙も無いようだ。最初は遠慮していた我々日本人親子も、ある時からはグランドに入って練習を始めた。

隣が池なので水鳥がのんびり。野球人はどこに行った…。



最初の数日だけは日本から持ってきた軟式のボールで練習していたのだが、その後子供は硬式にあっさりと切りかえた。硬式のボールは重たい。そして、天然芝であるゆえに日本ではあまりなかったイレギュラーバウンドがあるということに悩んでいる様子だったが、やるしかない。

僕はといえば、日本のドン・キホーテで2,900円で買った軟式野球用グローブでこのアメリカ野球生活をしのぐつもりで途中まで頑張っていたのだが、小学2年生とはいえ本気で硬式球を投げられると皮の薄い軟式用グローブだと手のひらが痛い。就寝時に左手が腫れてきたのを感じたので、觀念して硬式用グローブを買った。35ドルながら、十分なスペックだ。野球道具に関しては他のものに比べると日本よりも安い気がする。

それにしても、これだけ立派な球場が使われていないのはもったいないな、野球人たちはどこにいるのだろう・・と思っていた4月半ばのよく晴れた土曜日。家族で散歩をしていたら、遂に少年野球チームが練習しているのを発見した。すると、うちの長男は、その野球場の脇で猛然とキャチボールを開始した。後で聞いたら、自分なりに「熱意&存在感アピール」のつもりだったらしい。

すると、コーチらしきおじさんが声をかけてきてくれた。「良かったら練習に参加するか?」日本でもそうだったが、やはり少年野球に関わる野球人はあたたかい。


遂にアメリカの野球人を発見し、練習に混ぜてもらった。










長男も、本人なりにチームの練習のレベルを観察し、「これなら行ける」と思ったのか、自分から練習に参加していった。英語は全く分かっていないが、野球知識とプレーだけで入っていけている。スポーツの素晴らしいところだ。また、日本のチームでしっかり鍛えていたもらっていたことがありがたい。

ここで初めて米国式の練習を見学できたことは「日本の野球練習との比較」「どういう英語が使われているか」など、これまで日本に浸かりきっていた僕にとっては新鮮で面白いことばかりだった。

練習終わりにコーチと話をしたところ、ケリーに聞いていた通り「4月下旬のトライアウトに来れば良いよ」「まだプレシーズンだからさ。シーズン始まったら平日に試合、土日に練習するよ」とのこと。年齢別のリーグになっていて、長男は年齢的にマイナーリーグ所属の最上学年になる。4チームくらいが組成され、トライアウトでコーチがプレーを見て指名する、戦力が均等になるように毎年入れ替えているんだよ、というような話を聞くことが出来て、視界がぐっと開けてきた。トライアウトが何なのかは具体的に分からないながらも、それを目指して準備をしていく段階が始まった。( トライアウト編へ続く)

あっという間にボールはボロボロになった




追記:この土曜日のコーチとの会話より------僕「土日とも練習するんですか?」コーチ「いや〜、やってもいいんだけど、俺も平日5 日間は仕事だからさ。土日もやると疲れちゃうよ。土曜日だけでいいんだよ。」確かにボランティアで指導をしてくださるコーチは大変だ。なんか日本と似ているなぁと思った。さて、翌日曜日、子供にせがまれてまたグランドに行くと、そう言っていたコーチが結局その日もまた居た。「ベースボール(野球)愛」なのか「世話好き」なのか、そのあたりも二つの国で似ているなぁと。

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