今回の米国滞在はあくまで妻の仕事によるものだ。だから、原則として色々な意思決定では自分の主張は控え目にしよう、と思っていた。(今もそう思っている)
しかし、渡米の半年くらい前、休日の朝に妻が居住地の候補として「アーリントンか、ケンブリッジか…」と話しかけてきた時には間髪入れず「それはケンブリッジで!」と答えてしまった。敬愛する作家・村上春樹がかつてケンブリッジに住んでいたことを知っていたからだ。その時の経験は一つのエッセイ集(『うずまき猫の見つけ方』)とまとめられている。
村上春樹は40歳代の前半をアメリカで過ごしているが、自分も似た経験ができることになった。ケンブリッジに滞在するこれからの1年間を、村上春樹のエッセイを多少意識して記録してみたい。このため一人称は「僕」を使用していく。
ちなみに、ケンブリッジ市は、ボストン市の北西に位置しており、大学の街として知られる。アメリカの平均から言えば立派な都会なのだろうけれど、東京のJR中央線沿線という恐ろしく人口密度の高いエリアから来た僕には、随分のどかで素朴な街に感じる。
なお、来てみてわかったのだけれど、村上春樹が住んでいた所と僕らの住居はエリア特性的に若干違っていた。村上春樹が住んでいたのはケンブリッジ市のまさに真ん中。対してこちらの住居は、ケンブリッジ市の北西の端の方にある。とはいえ、それほど大きくない同じ市内なのだからそれくらいの事は気にしない。渡米してから「うずまき猫」を読み返していたら、村上春樹は大胆にも?上述のエッセイの中で当時住んでいたストリートを明かしている。ハーバードとMITの間にあるようだ。近々訪ねてみたい。
ケンブリッジ市の人口は、約10万人。元々住んでいた杉並区の5分の1以下。常磐線で言うと取手市と同じくらい。そんな「のどかさ」です。
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