2016年4月25日月曜日

ケンブリッジ市のリトルリーグ(少年野球)への参戦 -1-




一部の方にはお待たせ!?いたしました。少年野球の話です。野球関係の方のために少し細かめに時系列で書いていきます。興味のない方はほどほどに読み飛ばしてください。

我が家は夫婦ともに文科系人間で、球技にセンスがあるとは全く思っていない。しかし、気がつくとなぜか長男(渡米時点で小2の終わり)は野球が大好きになっていた。好きを通り越して、いわゆる「野球バカ」に近い風情だ。「野球部に入りたい」と言い出したのは小学1年生の終わりで、地元小学校の軟式野球部に入部した。これは僕の生活にとっても予想外に大きな事だった。幸いにも良いチームに入る事が出来て、これまで知らなかった世界が広がった。

アメリカ行きが決まった時から「アメリカでも野球をしたい」という子供のためにアメリカの少年野球事情を調べはじめた。本で面白かったのは小国綾子さんのこれ(リンク先)だ。この本は人事労務管理のフィールドを本業とする僕としても日米の組織行動の違いの根底にある文化を考える上で興味深い本だった。しかし、この本はあくまで小国さんの経験した時代と都市での話であり、どこまで自分たちの事情に当てはまるのかは分からないい。

さて、日本からWEBでケンブリッジ市の少年野球事情を調べようとしたのだけれど、そもそも土地勘も無く野球リーグ事情も分からないので、限界は否めなかった。WEBで検索したケンブリッジ市の少年野球リーグに電子メールで問い合わせをしたのだが、返信があったり無かったり。そのやりとりの中で「お前の住所だったら、ノースケンブリッジのリーグだよ」という返信をもらった事があり、所属候補のリーグは分かった。しかし、このリーグに電子メールを出しても返信がほとんど来ない。「写真を見る限り白人が多そうだし、日本からの転入者など歓迎されていないのだろうか」などというマイナスの想定も頭をよぎる。渡米前はここまでしか調査が進まなかったのが現実だった。

こちらに来てからしたことの第一はグランド(こちらの言葉ではフィールドというべきだろう)の確認だ。住居から徒歩5分の所にアメリカ国旗たなびく素晴らしい天然芝の草野球場があった。それも二面ある上に、よく見ると少年野球専用のサイズである。

少年野球専用の素晴らしいフィールド。


しばらく、毎日この球場に通って偵察してみた。時期は4月の頭だったのだけれど、誰も練習をしている様子がない。僕らは日本で「グランドは神聖な地」と叩き込まれている。勝手にグラウンドに入って練習してはいけないのではないかと遠慮して、横の空き地でキャッチボールをさせていただいた。それにしても、今の東京だと公園ですらキャチボールは禁止なことを考えると、なんと贅沢な土地の使い方だろうか。(日本の中でも東京が異常だ、とも言えるのだろうけど。)

第二に、電子メールを送っても返信のなかったリーグの事務局長へ土曜日を狙って電話をすることにした。そもそも、個人の電話番号がWEBに堂々と番号が公開されているのが新鮮だ。日本では「個人情報だ」とかなんとか、神経質に気にする人が多いのに。

さて、事務局長は電話をしても出なかった。困ったなぁと思ったら、知らないはずのこちらの不在着信電話番号へわざわざ折り返しコールをくれた。事務局長(ケリーという女性)は「ああ、メールもらってたかもね。4月のX日にトライアウトがあるからその時に朝9時にグランドに来てね」と明るく言ってくれた。これは一つ安心材料となった。一連の流れから、この地域は意外に素朴なところなのかもしれない、と感じた。メールに返信をくれないのはなぜだろうかと感じないではないが、こちらのコミュニケーションではこれが普通らしいという話も聞く。日本人が特に律儀なのだろうか。まあ、このあたりは鷹揚に構えようと思う。

第三に、道具を揃えた。これまで軟式野球しかやったことがなかったので、近所のショッピングモールで少年リーグ用の硬式ボールと子供用のグローブ、バットを買う。お店はチェーンの量販店で比較的安価に色々揃っていた。意外なのか自然なのかわからないが、若い店員さんが「俺もノースケンブリッジのリーグで野球やってたことあるよ」と言う。色々聞き出したいところだが、こういうカジュアルな日常英会話に不自由な自分の英語力が痛い。バットは木製かなと思っていたのだが、彼が「金属バットOKだよ」と言うので金属バットを購入した。

上がメジャー公式球。下がリトルリーグ用公式球。ほぼ同じ。


果たして息子は参戦できるのか(させてやることができるのか)、やや不安ながらも準備を進めた4月の上旬だった。

(このシリーズは不定期連載として続く予定)

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