子供二人は同じケンブリッジ市の小学校(それぞれの学年毎の外国人向けクラス)に入った。初日は曇り空の中、電車と徒歩で登校した。教育委員会で「朝8時10分に門に校長が居るから」と言われていたが、本当に校長先生が門のところで全員の登校を迎えるために挨拶をしていた。この光景は日本でも見た。校長というポスト(役職)はいずれの国でも大変なようで、頭が下がる。
学校の中庭。校舎はごく普通。少なくとも表面的なセキュリティ管理は杉並よりも緩いのは意外。 |
最初は事務所で書類に色々サインをした。終わると、初日にもかかわらず「子供は置いていっていいですよ。14時15分に迎えに来てください」という。大胆といえば大胆。子供達は若干怯えながらもそれぞのクラスに入っていき、迎えに行ったらケロリとしていた。クラスメイトがフレンドリーに迎えてくれたようでありがたい。
親としては今後なるべく小学校に足を運んで、子供のサポートをしたい。加えて、学校という場には、ビジネス人としても「組織行動論」的に非常に興味がある。(「その国の会社は、その国の小学校に似ている」というのが僕の昔からの仮説。)
さて、既に何度か学校に行っているのだけれど、「自由」「人権」というものについての教育がかなり重視されていることがすぐに分かる。正門付近の卒業制作「Standing Up」は何年生が作っているのか分からないが、子供達の自由・人権についてのメッセージが満載だ。ただし、注意深く見ると「平和」も多いのだけど、「平等」に触れたものが少ない気はする。
これらのあたり、ケンブリッジ市というところがアメリカの普通なのかどうかはわからない。そもそも、アメリカに「普通」という概念を求めるのがおかしいのかもしれないが。
これらのあたり、ケンブリッジ市というところがアメリカの普通なのかどうかはわからない。そもそも、アメリカに「普通」という概念を求めるのがおかしいのかもしれないが。
一つ一つじっくり読んでしまった。反ファシズム・反差別・平和なども多い。 |
ある日、1・2年生の音楽会を見学した。合唱はまあ普通(日本に比べれば生徒たちのそぶりは気まま)にやっていた。小学校1年生は「キラキラ星」的な童謡から始まったのだが、途中から「実は選曲がすごくないか?」と気がついた。1年生の最後の曲は黒人奴隷のプロテストソングだという「Pay me my money down」。あどけない1年生が意味が分かっているとは思えないが、歌ってる。「(雇用主に)おい俺の賃金払え、さもなきゃムショに行け」とたどたどしくも歌っていたのには、現地人の親御さんも笑っていた気がする。2年生の曲も中国民謡「Moo lee hua(ジャスミンの花)」やら「Goin’ Down To Cairo(これも黒人奴隷にゆかりの歌らしい)」やらで、選曲者である大人の明確な意思を感じる。
学校についてもまた経験を書いていきます。
追記:市内にはマーチン・ルーサー・キングJr.小学校という名前の学校もある。イベントで訪ねたのだが、講堂にはキング牧師の経歴をアート化した展示があった。ボストンはキング牧師が博士号を取った街という縁があるらしい。
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