一応、普段は話題の汎用性を多少意識してこのブログ記事を書いているが、たまには、個人的趣味全開の投稿を。(映画に興味のない人は、飛ばしてください)
9月、近所のSommerville Theaterで、70mm映画祭というイベントがあった。日本では見ることのできない70mm上映は、映画好きには感動モノの企画だ。ちなみに今年の作品ラインナップは、「スノーホワイト」「ウェストサイドストーリー」「ベン・ハー」「トロン」「ワイルドバンチ」など。
何を見ようか…と考えたが、「インターステラー/Interstellar」を選んだ。実は、既に日本で二回も劇場で鑑賞済みなのだが、フィルム撮影へのこだわりを持つクリストファー・ノーラン監督の作品を70mmで堪能したい。
というか、「インターステラーを 70mm上映で観た」というのは日本だったら映画オタクの間では多少誇れる経験(ただし、それ以外の人からはどうでもいい経験に過ぎませんが)だと思う。タランティーノの作品(ヘイトフル・エイトとか)があれば、それでも良かったのだが無かったのが残念。
平日の夜19時30分からの上映で、劇場はウキウキの観客(自分含む)一杯。この空間に居られることが嬉しい。客層は結構若め。そしてここはいつもそうだが、ほぼ全員くらいに白人。
上映前に支配人が壇上に出てきて口上を述べる。「ノーラン監督は音響にも凝ってるからね〜。今日はニューイングランド随一の音響を持つ当館(注:本当かどうかは不明)は、サウンドシステムをノーランセッティングに調整済みです!」などと言っておりますます楽しみになってしまう。
感想。
70mmは、縦が少し大きい。画面に埋没できる感が少し違う。そして、この映画(というかクリストファー・ノーランの作品全般?)については、哲学的なテーマがどうこうよりも、思わせぶりな映像美と、劇伴の作曲家ハンス・ジマーの音楽センス、この二つがその魅力の大部分ではないかと思った。特に今回、字幕がなくセリフが追えないこともあって、余計にその認識を強く持った。そして「宇宙や物理の理屈をセリフで説明するSFを字幕なしで理解するのは自分の実力ではまだ無理」ということも再確認した。あとは、個人的には、女優のジェシカ・チャスティンが好きなのでこれを70mmで堪能できて良かった。
それにしても観客のアメリカ人は上映中によく笑う。「この映画なんて笑うところほとんど無いだろう」という作品ながら、家族のやり取りやTARSとの会話での「気の利いたセリフ」程度でよく笑っていた。
こんな上映を見て歩いて家まで帰れるのだから、良い場所に住んだものだ。
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