日本で仕事をしていた際は、生活の息抜きとして「映画館」へよく足を運んでいた。
こちらでは「息抜き」という感じではない(なにしろ、字幕が無い、という修行モードになってしまうのでリラックスはできない)ものの、もう8年もやっている生活習慣なので、やはり映画は見ている。うちから徒歩10分のところのシネコンは火曜日は一律4.7ドルという素晴らしい企画をやっている。ありがたい。
日本公開とタイミングがずれている作品を、アメリカにいるために「日本に先駆けて見られる」というのもそれはそれで面白い経験だ。しかし、別にスピード競争をしても意味がないので、やはり字幕付で見てよく味わいたいと思う今日この頃ではある。
以下、秋に見た映画を記録代わりに掲載。
「ハドソン川の奇跡」
個人的に追い続けているクリント・イーストウッド監督作品の最新作。アメリカ在住中にこの監督の新作公開が見られるのは嬉しい。もうあと何本撮れるか、という域の長老だが、前作(アメリカン・スナイパー)に引き続き「アメリカで起きた事件を割と淡々と記録すること」を通じて"アメリカの何か"を記録しようとしているのかなと感じた。具体的には、今回は"911の強烈なトラウマ"とか。
繊細なバランスが持ち味の監督だから、しっかり理解するために字幕つきでもう一度見てみたい。今更ながら役者としてのトム・ハンクスがすごいと思った。
オリバー・ストーン監督、という先入観を持ちながら見てしまうせいか、なんだか随所の演出が古臭いように感じてしまう。題材は実話で現代的にはとてもシビアだ。他の監督(キャサリン・ビグローとか)がこの題材で撮ったらどうだったかな、と思ってしまう。英語の聞き取れない率も高く、それほど楽しい映画ではなかったが、最後の最後のアレは「おおっ」と思った。
それにしても主役のジョセフ・ゴードン・レビット、こういう役柄の方向性で、彼は良いのだろうか。
荒野の7人、あるいは7人の侍のリメイク。評論家筋からの前評判があまりよろしくない。加えて、西部劇のせいか英語のセリフが全く聞き取れない。そこを割り引いても、実際に見終わって「この映画のテーマはいったい何だったの?」という疑問符が残った。「この7人は米軍の暗喩か?」とも思ったがそれは牽強付会過ぎるだろう。
一つのトピックスとしては、イ・ビョンホンが脇役ながらも良い役で出ている。ハリウッドのアジア人俳優軽視はエンタメ界の暗部らいしので、そういう点では良いことだと思う。
あまり見るつもりはなかったもののご近所出身の「ベン・アフレック」が主役だから見に行くか、と思って見に行った。ベン・アフレックもアカデミー賞を獲った「アルゴ」やら、好演だった「ゴーン・ガール」など最近良いキャリアなのに、なんでこういう「これと言って取り柄の少ないアクション映画」に出るのか、と見る前から思っていたが、見た後の感想も同じだった。「会計士兼殺し屋」という新機軸以外に目新しいところなし。「セッション」のJ・K・シモンズが出てたのが目に止まったくらい。
ベンアフは、来年、自身の監督作があるようなのでそれに期待したい。
追記:今シーズンのアカデミー賞レースでは、"セッション"の監督が作った新作、LA LA LANDというミュージカル作品がたいそう前評判が高い。これが楽しみだ。あとは、バースオブアネイションと沈黙は見ると思う。あとは、ディズニーのモアナ、、とか。。(以下略)
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