2016年7月31日日曜日

マイナーリーグ:ローウェル・スピナーズ(Lowell Spinners)の試合で、アメリカの原点を見る



ローウェル(Lowell, 人口10万人)はマイナーリーグのシングルA、スピナーズ(レッドソックスの傘下)というチームのホームタウンだ。5月頃ケンブリッジで出会ったボストニアンから「メジャーもいいけど、野球が好きなら、マイナーリーグを見に行くといいよ。そこに本当の野球がある」と言われたこともあり、試合観戦を計画した。このスピナーズは、およそあらゆる情報が氾濫している日本語のインターネットでも記事をほとんど見つけるのことができない超ローカルチームだ。

地域の少年野球リーグがこの国のベースボールの裾野の底辺だとすれば、フェンウェイパークのRED SOXが頂点だ。今回の観戦は、その真ん中を埋める位置付けと言える。 これまでの勉強と仕事から学んだリサーチ手法として「両極端を見た上で、中間を見る」のは物事を把握するのに良い方法だと思っている。
古い工場の煙突が見えたりして風情のあるボールパーク


スピナーズの球場へは簡単に到着した。メジャーの球場に比べればコンパクトで、どの客席からもフィールドが圧倒的に近い。ピッチャーが球を投げ込む音、バッターが打つ音、がとてもリアルに聞こえる。これだけでも、かなり気分が盛り上がる。

飲食持ち込み禁止はフェンウェイと同じルールだが、中の食事もフェンウェイよりもちょっとお買い得な価格設定。なんと専用のアプリがあり、これを使うと、席まで食事を運んでくれるサービスもある。ちなみに、入場料は一人10ドルと格安だ。ビールは7ドルくらい。ハンバーガーセットドリンク込みで10ドルくらい。

グラウンドレベルかぶりつきで見ることも可能
選手の給料が低いことで有名なマイナーリーグ(年収200万円以下)も基本、独立採算であるらしく、試合を見ていても様々な経営努力が端々に感じられた。ただし、それらが全て「お金かけずに楽しもう」という方向で行われていたのが爽やかだった。各イニングのインターバルには余興があるのだが、全てお金かけないでやる工夫もの(ホットドックの早食い競争、ムカデ競争など)で徹底している。また、公式戦にもかかわらず審判は二人だった。日本の小学生の試合ですら三人、四人の審判でやってるのにもかかわらず。試合の後はKids Base Runということで、球場を解放して子供がフィールドを走ることができる。これは、子供にとっていい想い出になるだろう。総合的なValue for moneyで考えると、(異なるエクスペリエンスだから単純比較はいけないが)メジャー観戦よりも良い気がした。これぞ庶民の楽しみだと思う。


試合は、スピーディーに2時間10分程度で終わった。公式サイトによると選手たちは試合の後(17時試合開始で、終了は19時過ぎ)、翌日の試合(遠征)のために長距離バスで移動したとか。マイナーリーグは過酷だ。この過酷さを乗り超えると、最低年俸4000万円のメジャーが待っている、という大きな格差がいかにもアメリカ(企業における社員報酬にも通じる?)だと思う。 



ここからメジャーへ上がった選手の名前のリスト。This is the American Dream.













2016年7月29日金曜日

アメリカ産業革命の重要都市、Lowellで産業遺産を見学

夏の週末。ボストンから北へ、郊外行きの長距離列車でローウェル(Lowell)へ向かった。


列車には、比較的近所のウェストメドフォードという駅から乗ったのだが、時刻表を見ると「誰かがホームに待ってるのが見えたら駅に止まる」と書いてある。(路面電車でなもないのに)長距離列車でそれはないだろう!と、若干緊張したものの無事に乗ることができた。

無人駅かと思ったら、一人だけ係の人が居た



ローウェルの街。古いけど明らかに最近観光向けにリノベされた感あり。


ローウェルは、19世紀に発展のピークを迎えたアメリカの第一次産業革命の街で、昔、経営史を多少勉強したことのある僕としては大変興味深い場所だった。今は、国立公園に指定され産業遺産の展示がメインになっている。ビジターセンターの15分のビデオがコンパクトに理解を得るためにとても便利だった。全体に少し美化されていたきらいもあるが、これを到着してすぐに見ておいて良かった。(英語字幕あり)


このビデオによると、企業家が、その昔イギリスから紡績機を導入し(ぼかした説明だったが、どうやらパクり的な行為をしていた模様。イギリスに工場見学に行った時に、機械をスケッチしてきたとか。いつの時代も後発者のキャッチアップは模倣から始まる)この地域の豊富な水力をを生かした水力発電により、工業化(繊維産業)を成し遂げたという。この街はかつてはマサチューセッツ第二の都市だったこともあるそうだが、時代の変化により早々に没落してしまった。蒸気機関の確立により水力頼みだったことが仇となった、との説明だった。繊維産業はその後綿花原産のアメリカ南部に移り、安い労働力を求めて世界を転々とし、今ではバングラに至る。その出発点がここだ、と位置づけられていた。

最初は近隣の農村から女性を集めて働かせていたとのこと。(いわゆる女工哀史のアメリカ版だろう。全体的に「これ日本だと富岡製糸工場だよね」と思いながら見た。)その女性が待遇改善を求めて史上初の女性によるストライキを決行したのもこの場所だという。そういう意味では、僕の専門でもある労務管理の歴史的にもちょっと重要な場所と言えるかもしれない。

昔の工場が博物館になっている


その後、歴史の推移とともに世界各国から来た移民が工場労働を担っていったという。「移民が産業を支える、これこそアメリカ」ということを誇る掲示もあり、修学旅行生などがこれを勉強しているのだろう。

エリア一帯は国立歴史公園として歩いて回ることができる。なんとなく「小樽」「金沢」「川越」が思い出された。日本人にとってはこの風情は馴染みがあるが、アメリカでは「歩いて巡ることができる」というのはかなり珍しい趣向らしい。


運河が名物



さて、ローウェルにやってきたことには、実はもう一つの理由がある。それは、この街にマイナーリーグベースボールのシングルA スピナーズ(注「Spin=糸まき」)があるから、、、ということで次回はスピナーズの試合編。 

2016年7月26日火曜日

ハーバードヤードでのポケモン狩りは中国のアシスト?により快調に

2016年の7月は「ポケモンGoが騒がれた月」として、世界的に記憶されることになるだろう。

実は、アメリカでローンチされたタイミングでは、僕はアメリカ国外に行っていたため、結局、日本でのリリースと同じくらいの時期からこのゲームを始めた。

Pokemon GOは、日本に先行して「アメリカで大流行」という報道が大量に出たことが大きな特徴だろう。アメリカのメディアを見ていても実際に突然の流行を感じた。ある日を境に突然「PokemonGO」の記事が大量に現れた。エンターテイメントコンテンツがこんなに記事になるのは最近では「Game of Thrones」以外に見たことがない。

うちの住居はさいわいにも「駅前」にあり、ポケストップが沢山あるので捕獲には困らない。しかし、「ハーバード大の中心部はポケモン狩りに最適だ」という情報が入ったので、所用のついでにハーバードヤードへ狩りに出かけてみた。確かにハーバードスクエアを中心に、ポケストップは沢山ある。そして、興奮してルアーモージュールを使っている人も沢山いる。このため、ポケモンハントには良い場所である事は間違いない。特にヤードの中は車両も来ないので安全だ。

ちなみに、この美しいヤードには実際に野生?のリスが住んでいる。出かけた日もふつうにリスが居たけれど、この辺ではリスが多いので、ほとんどの人がこの可愛い実在のモンスターに見向きもせずスマホの画面を眺めている、という情景がある。



ハーバードヤード内でのスクショ
観光客が一杯で、皆が喜んでいる「ハーバードスクエア」


話はそれるが、今は夏休みなのだけど、ハーバードヤードの中にはとにかく「中国人様の団体」が多かった。サマースクールの関係で来ているのか、「将来ハーバードへ入るぞ!という意識付けのための観光ツアー」なのか、分からないけれど本当に多い。勢いと物量が目にまぶしい。日本人の存在など微々たるものです。

ポケモンに話を戻すと、このハーバードヤードの中に、「中国とハーバード大」の交流の碑があり、ここがポケストップになっている。そしてここにきた中国人がテンションが上がりルアーモジュールを使ってくれるので、「ポケモン稼ぎ」にはいい場所だ。おかげでこちらも「イーブイ」取れて、隣でいそしむ中国人と小さくガッツポーズ、という・・・。

この日のハーバードヤード(奥に創設者の像が映っている)


ちなみに、別の日の夕方、うちの近くのポケモンジム(某レストラン脇)の横に長男と居たら、横にいた黒人の学生が”You guys play Pokemon?”と、話しかけてきてくれて、ちょっと雑談するような交流もあった。Pokemon GOが取り持つご縁であり、ありがたい。この青年はアニメ好きなのか日本語の勉強もしてくれているらしい。しかし、日米でモンスター名が違うので会話の成立が非常にややこしかった。同じ色のチームに所属していることも分かったので一緒にジムを防衛してみようか。


ボストンやケンブリッジで、日常見かけるものからは中国の圧倒的な量での存在感を感じることが多いが、「日本語を勉強している」という人が街で声をかけてくれることも時々(月に1回くらいか)あり素直に嬉しく思う。 

ショッピングセンター内の掲示。三つポケストップがあるよ!と言ってます

2016年7月24日日曜日

読書メモ:恒吉僚子「人間形成の日米比較 かくれたカリキュラム」


つまり、学校という場は、アメリカ中、日本中の児童が毎日、何時間も、必ずしも自分で欲しなくとも通い、その影響を受け続けている所なのである。
(略)
日米の小学校で給食のあり方が違うのを見て、「たかが給食」、たいしたことはないと思う人が居るかもしれない。だが、そうであろうか?給食一つにしても、登校日は毎日。それを小学校六年間続けたとしても、大変な回数である。特定の行動パターンを、児童は何百回、何千回と繰り返しているわけである。(略) 
そして、学校は社会をさまざまな形で反映している。給食のような学校生活のある一断面は、実は学校や社会の在り方と連結し、総体として児童に影響を与えているのである。(p66より)




4月頭にアメリカに来てから、子供の学校や野球やバレエの習い事を通じてアメリカの社会に交わる機会を持つことができた。このブログにも多少ご披露した通り、観察をして自分なりに少し考えてはみたけれど、学術的な面からの勉強や頭の整理もしておきたい、というタイミングで本書「人間形成の日米比較 かくれたカリキュラム」(1992年刊行)と出会った。

結論からいって、本書は素晴らしい。

自分が限られた経験からグダグダと考えていたことが非常に明晰に整理されている。日本とアメリカで子育てを経験する親にとっては当事者として読めるし、「企業組織の国際化」を考えるビジネスパーソンや「国際人を育てること、に興味のある人」にとっても必読の一冊ではないかと思う。(というか、タイトルに何かを感じた人は読んで損はないと思います)

上で「国際人」などと恥ずかしげもなく書いてしまったが、これもまた無自覚に使うのは危険な謎概念だ。しかし、あえて言うと、この著者の恒吉さんが、非常に稀な(狙って作ってもできるものではない)国際人だと思う。この方は、幼稚園から小学5年生くらいまでアメリカで育ち、そこから日本に帰国して高等教育を受け、その後プリンストン大で博士号を取っている。結果、二つの言語で知的活動ができ、複眼的にものごとを捉えられる。更に、自己の経験や体験談に依存せずに「研究者」として抑制的に状況を探求しようとする姿勢や、一部研究者にありがちな「欧米目線からの日本断罪」の危険性にも自覚的でいらっしゃる。こう言うスタンス(+英語でも論文書ける)の知識人はそうは居ないだろうと思った。

近隣の体育会系男子校の体育館の壁画



特に「欧米の価値を基準」として日本を考えてしまうことは、実は日本で高等教育を受けた人にはある意味では自然なことでもあり、無自覚であることも多い。ただ、そこには「罠がある」ということをこの方はしっかり指摘している。僕自身も、英語で日本のことを説明する際に無意識に相手の土俵の基準で話してしまったな、と反省する部分があった。

要旨メモ:

  • 「学校のあり方」が人格形成、人間観、集団観に与える影響は極めて大きい。
  • 日本でもアメリカでも「教育観」というのは流動的なものである。(時代によって変わる。今の姿が昔からそうだった、というわけではない)
  • 日本の学校の特徴「生徒の動機、内面」に焦点を当てるシステムになっている。自発的同調を訓練するための活動が多い。勝手に集団主義になっているわけではなく、児童が自分から「同調したくなる」ような配慮がある。
  • 日本の教育には「正しい」やり方、基本的生活習慣や態度を教えてようとする特徴がある。
  • アメリカでは社会階層によって学校も分かれており、教育方針が違う。「上流は全人格教育」「ロワーは、家庭があまりにも崩壊しているので、学校だけは非常に厳しくしようとする(補足:第5章「キング先生の戦い」印象深かった)」
  • 「日米に違いはある」が、世界的な視野で見れば「日米の違い」をことさらに強調することには意味がない。

以下、本書より抜粋。

本書でも家庭や学校を通じて見てきたように、日本人は、感情移入能力を発達させるような訓練は実にしっかり受けている。だが、言葉を武器として説得する訓練はあまり受けていない。 
内在型の同調モデルの下で社会化されてきた日本人は、感情に訴えかけられることに敏感である。相手の内面に焦点を当て、感情移入能力や罪悪感などに訴えかけながら、自発的同調を促すシステムの中にある内在型のリーダーは、自分の権威、聡明な判断、力などをアピールしながら人々をボスとして引っ張っていこうという外在型システムの中のリーダーとは求められる資質が異なる。(P158-159)


追記:本書は家人が勤務先の図書館から借りてきた。こういう本がちゃんと所蔵されてるところが、図書館の質なのかなと思う。

2016年7月21日木曜日

家の食料品がハイスピードで無くなっていく理由


この一年は基本的には主夫なので、日々の買い物(特に食材)は大きな仕事だ。食材の買い物自体は日本でもやっていたことなのでスキル的には特に困ることはない。食材やスーパーについての研究も進めることができるので、むしろ趣味として楽しんでいる。

しかし、ここアメリカに来てからは、たかが「買い物」と侮れない事情が幾つかある。

そもそも、車無しで生活しているので大量買いによる「買いだめ」が難しい。さらに、店の数が少ないので、日本ほど気軽に買い物に行くこともできない。東京のように最寄り駅から自宅までの間に、食品スーパーが数件ありコンビニがあり総菜屋がある、というような高密度状況が大変ありがたいものだったとこちらに来て知った。

割と愛用してる近所のスーパー「トレジョ」。すべてPBでやや高級。


それにしても買い物すれどもすれども食材がすぐになくなる気がするのはどういうことか。日本に居た時の感覚よりも明らかに減るスピードが速い。日々、買い物に追われているというのが実感だ。改めて理由を考えてみた。

第一に、日本に居た時に比べて、外食・中食が圧倒的に減って家で作って食べている率が高い。端的に言って、外食は高い。その上にチップも必要だ。家族で出かけようものなら、1万円近くが飛びかねない。このため、おいそれとは外食していられない。

第二に、食べ盛りの子供が毎日弁当を持っていく。これによって消費される食材の量が無視できない。日本では給食のお世話になっていた。日本の給食は偉大だと思う。こちらにもカフェテリアランチはあるのだが、諸々考えて今は弁当中心の生活にしている。

これらが原因で食材がすごい勢いで無くなるようだ。

緑の濃いボストン市内


買い物について言えば、「アメリカ人女性達の中に日本人一人」という状態で話をしていた時に「スーパーの食材高いっすよ」とボヤいたら「生鮮で買ってるなら高いわよ。加工・冷凍ならいいのよ」と言われた事がある。確かにそうかもしれない。日本の素晴らしい生鮮を当たり前だと思っていたが、そうではない大変ありがたいことだったのだと思う。



せっかくなので更にいうと、主夫を体験してみて「主夫(婦)業は結構忙しい」という事が分かった。これまでぼんやりと「主婦ってみんな割と暇なんじゃないか?」という認識を持っていたのですが、大変失礼なことでした。この場を借りて誤認識を持っていたことをお詫びいたします。

2016年7月18日月曜日

Stop!「サマースライド(夏休み期間中の学力・生活力崩壊)」



そろそろ日本も学校が夏休みになる季節だと思う。実はアメリカの学校は(州によって微妙に違うらしいが)は6月下旬に9月上旬までの長い夏休みに入った。この長い休みを子供にどう過ごさせるか、というのがこちらの親のテーマだという。

学校で預かってくれない間を家庭でどう過ごすかが子供の成長に大きく影響するのは自然なことで、「その期間が長い」というのはアメリカの教育界にとって一つの論争の的のようである。ちなみに、普段の平日の小学校も2時15分で終わり、と少し預かってくれる時間が短い。「教育重視」を掲げる米国がこんなに「短期間/短時間」しか子供を預からなくて良いのか?でも、財政上の問題から難しいのも分かる・・・、と言った趣旨の論説が現地の新聞にあった。

夏休みに話を戻すと、こちらには「サマースライド"Summer Slide"」という言葉がある。字句の通り「夏の間に、学校で習った学力、生活習慣を全て忘れてしまう」という意味であり、これを起こさせないように!というお達し、並びに、保護者向け説明会があった。昔、TUBEというグループが「♫ストップ・ザ・シーズン・イン・ザ・サン」と歌っていたことを思い出すが、ここでは「Stop Summer Slide!」なのだ。





この説明会は平日の朝だったのだが、集まっているのは意識の高そうな親が多く、「本来はここに来ない人、来られない人にこの情報が必要なのに・・・」と思わないでもない。

内容としては「規則正しい生活、毎日読書、勉強」等々、当たり前といえば当たり前の話が多かった。ただし、「夏休み中に、無料のランチを配るのはどこの公園」と言ったような話も普通にあり、(ここは比較的裕福なエリアとはいえ)厳しい環境に置かれた子も居るのだなと思う。この辺りの夏休みのサポートイベントも、やはりケンブリッジ市は財政が良いようで充実しているらしい。(説明していた先生の一人が言ってました)




説明者は全員女性。校長こそ男性だがこの学校の教育現場は女性が仕切っている。
「日本ではあまりこう言う事言われなかったな」という意味で印象に残ったのは、学校から推薦される教材に「iPad」やWebを使ったアプリやサイトが多いことだ。

以下紹介までにそのまま列挙しておきます。


◆10tips for avoiding the academic summer slide

http://www.publicschoolreview.com/blog/10-tips-for-avoiding-the-academic-summer-slide

◆Language

CPL(ケンブリッジ市立図書館)
http://www.cambridgema.gov/cpl/eLibrary
無料で読めるeLibraryあり。

International Children's Digital Library (50ヶ国語の本が収録されており無料で読める)
http://en.childrenslibrary.org/

Storyline(有名な俳優が本を読み上げてくれる)
http://www.storylineonline.net/

Tumblebooks 
http://asp.tumblebooks.com/Default.aspx?ReturnUrl=%2f
Login:cambridgeps
Password:reads

Toon Books(子供の教育用の漫画、5ヶ国語あり。一部無料で読める。残念ながら日本語なし。)
http://www.toon-books.com/

◆MATH

Symphony Math(iOS用のアプリがある。)
http://symphonylearning.com/

Bed Time Math(算数に関係した小話など)
http://bedtimemath.org/

Math Play Ground(onlineの算数ゲーム)
http://www.mathplayground.com/

2016年7月15日金曜日

がんばれドジャース! -2- ドジャースのシーズン終わる



長男が割り当てられたチームはリーグ内のドジャースというチームだった。以前に書いた通り、ここでは基本的にリーグとしての一体運営の色彩が強いが、それでもチーム別にチームカラーらしきものはあった。我らがドジャースはリーグ内でも「ラテン系比率高い」&「ほぼ全員が野球素人」というのが特徴だった。前回記事で紹介した傾向はこれにより拍車が掛かっていたと思われる。








ところが、うちの長男はチームカラーとは対照的に「日本的でストイック系」&「野球オタク」という人材だ。自然、メンバーと気持ちが噛み合うはずもない上に、彼には「英語がわからない」という言葉の壁がある。親として試合を見ていると、長男にとってはフラストレーションが溜まる場面が多いのもよくわかった。チームメンバーの大半が試合に負けてもあまり気にせず、試合中からゲームそっちのけでバスケットボールで遊んではしゃぎまわる中で、一人、敗戦の悔しさに涙目の日本人、という構図になる。そういう状況でも「野球好き」というだけで切り込んでいく積極的な長男のキャラクターは一体誰に似たのか、と思わざるをえない。(まだ柔軟性の勝る低学年なのも奏功したのだろう)


逆にラテン系軍団の立場に立ってみれば「レクリエーションなのに、なんであのJapaneseはいきり立ってるんだ」と思っている可能性もある。言葉が通じないことに加えて、気持ちが通じない難しさも感じた二ヶ月だった。とはいえ、それでハブられるような事はない。どころか、打席に立つと自発的に応援歌を歌ってくれる気のいいチームメイト達だった。試合への集中力はとても低いのに関わらず、試合に勝ったら「WE WON!!」と無邪気に大喜びしていて「なんだ、君ら実は勝ちたかったのか~」と思ったものだ。


また、我らがドジャースは他のチームに比べてひときわギャラリー(観客)が多かった。これは、ラテン系は親族の絆が固い、と異文化理解の教科書に書かれていることの実例だった。明らかに選手の子供の親ではない「おじ」「おば」「親の友達の近所の人?」までフィールドで来て声援を送っている。そして大概スペイン語で会話をしている。カトリックの影響か子沢山で兄弟も多く、弟妹がフィールドの周りではしゃぎ回っていた。そして、このギャラリーの人々も彼らにとって「謎の東洋人」であるはずのうちの子供にも分け隔てなく声援を飛ばしてくれた。


たったの2ヶ月のリーグ&言葉の壁もあるので「良い友達ができた」というほどではない。それでも、異国から来た少年をあっさりと暖かく受け入れてくれ、笑いあり涙ありの経験の場を提供してくれた伝統あるこのリーグへの感謝の念は尽きない。おかげで、親としても仕事などでは交わることの難しい地域社会やアメリカのダイバーシティというものを感じることができた。

写真撮影なのに遅刻者多数。ドジャースらしい。

結局、ドジャースは、5チームのリーグ中4位で終戦してしまった。最終戦の後、コーチは「君らは良くやった。来年はもっと良くなるぞ」と訓示してくれた。日本人的な感覚からすると「それ本当?まずは、生活態度からもっとピシッとしないと!」と思わないでもないが、それでも一緒に野球をやってくれたメンバーの今後の健闘と成長を願わずにはいられない。

「野球シーズンは2か月で終わりか…短いね」とやや呆然としていた頃、「サマーリーグ」という名称の市内全域リーグへのお誘いをいただいた。うちの野球小僧の判断は…聞くまでもなく「参加!」といことで、また少し趣の違うリーグへの参加をすることになる。野球話、またそのうち書きます。

2016年7月12日火曜日

がんばれドジャース!-1- 地元少年野球リーグの現場から



長男が入った低学年野球チームの名前はドジャース。リーグ内のチーム名は、メジャーリーグの実在チームを適当に割り当てているだけで、深い意味は無いらしい。ただし、地元RED SOXだけは使われていない。これは争いを避けるための配慮だろう。

日本で少年野球をやっていた僕ら家族としては、このチームで、数々のカルチャーショックに出会った。



まず、人が時間通りに集まらない。コーチからEメールで1630分から練習、とあったので10分前に行っても誰もいない。どころか、17時に前になっても誰も来ない。コーチそのものが17時くらいにようやく登場。すると段々、メンバーが集まってきて、1740分くらいから試合開始という展開が基本。日本だと、先に集まって準備をして「定刻には整列して挨拶」が基本であることを考えると、大きな違いだ。だらしない?ことこの上ない気もするが、カルチャーとして適応していくことにした。

そして、コーチがとても優しい。バッティングピッチャーをしているコーチ(キャッチャーは居ない状況)が、持ち球を使い果たしたら、自らホームベース付近まで行って球拾いしている。その間、子供は打席に突っ立ったまま。日本だったら「こら、突っ立ってないでおまえが拾わんかい!」となるところだが、そうならない。また、それを親が見ていても親も「あなた拾いなさい」とは言わない点もびっくりした。コーチといえば、日本では母親が「お茶出し」などをするのが基本だと思うが、こちらではそういう活動はほぼ無かった。(シーズンの最後に寄せ書きを渡す程度)

それから、試合中のお菓子とベンチからの脱走多数。低学年ということもあり、「試合に集中する」ということが出来ない。試合中にベンチを出てお菓子を食べたりジュースを飲んだり、バスケットボールで遊んだり、とやりたい放題。これも日本とは大違いだ。ただし、この差は周りの大人の違いだと思われる。日本でも低学年は集中力が低いのは同じだが、コーチや親が指導してなんとかする。しかし、ここのチームではコーチは「一応」注意はする、程度。親は放置。「うちの子がだらしなくて恥ずかしい」という親側の感覚はほぼ無いように見受けられた。これも非難ではなく、あくまで「興味深い」として観察した。

最後に、道具に対する扱い。こちらの子は、グローブを投げる蹴る、バットも足蹴にする。文化として「モノ」に対する感覚が違うだけ、と頭では分かっていつつも、こればかりは日本人としては居心地が悪い。これだけは子供に真似をさせないように気をつけた。(試合中、律儀に「バット引き」をしてるのはうちの子供だけだった)



以上、リーグの他のチームにも見られる傾向だが、たまたまうちが所属したチームはこうしたカラーが濃かったようだ。(徐々にその事が分かってきた。次回でその理由に触れる)

ルール以外に文化がこれだけ異なる中でも、小学生3年生の長男は「野球が好き」という気持ちだけを原動力に、そんな環境の中に言葉も分からないままに突撃していくのだから、子供のつよさ、スポーツの力を感じた。

とはいえ、現実は甘いことばかりでもない。

次回へ続く。

追記:記事タイトルは、名作映画「がんばれ!ベアーズ」より。この映画も渡米の予習として事前に見ていったのだけれど、この予習には大いに意味があった。昔よくテレビで再放送されていた映画なので「昔、見たかも」という人が多いと思いますが、大人の皆さんにも再見をお勧めしたい作品です。

2016年7月9日土曜日

アメリカでTOEFLを受験して色々疲れる


TOEFLという留学生(non-native)向けの英語の検定テストがある。ふつうだと、このテストで一定の点を取らないと留学できない、という関門になるテストなのだが、自分の場合は幸運にもこのスコア無しに家族のビザでアメリカに来ることができた。しかしながら「せっかくだから、このテストで一定の点を残してみたい」という気持ちがあり、渡米前に日本で一度だけ試しに受験してから、こちらへやってきた。(日本での試験結果は爆死に近いものだった。 TOEICが小学生向けに思えるくらいに難しい。しかも、年々難しくなっているという恐怖のテスト。こんなことだったら20代のPBTの頃にやっておけば良かったと後悔。)

当然ながら、TOEFLはアメリカでも受験できる。ボストンのダウンタウンにある会場で初の受験を先日してみた。まず、申し込みの段階で気がついたのは、日本で申し込むよりもやや受験料が安い。今、アメリカだと190ドルだ。それでも十分高いと思うが、日本だと一回230ドルと鬼のような値段。為替次第でやや変わるが、下手をすると2万5千円かけて自尊心を砕かれる、というなかなかマゾヒスティックなテストである。


Old South Church

当日の会場への到着は問題なかった。しかし、受験前から日本と違うところが見えて色々と面白い。

まず、集まってきてるのは中国人中心のアジア系とアラブ系の若者多数。第二外国語のテストだから当たり前といえば当たり前だが、独特の雰囲気がある。そして、軽く衝撃的なことに待ち時間に友達同士で英語でペラペラと話している。スピーキングに難を抱える日本人(僕)としては「君ら、そんだけ話せれば、TOEFL受ける必要ないじゃん!」と思わざるを得ず。気持ちが萎える。

受験開始の手続き的には基本的には日本と同じだったが、日本に比べて少しゆるい感はあった。日本だと入室前に金属探知機でチェックされたものだが今回はそれはなかった。

定刻にやや遅れで、試験が始まったが、会場がクーラー効きすぎで異常に寒い。他の受験生がクレームしていたが、ビルの都合で変えられない、ということで結局集中力を散らす要因になっただけ。さらにリーディングの試験中に、中国人のスマホの着信音(中国語の歌だったのでこう断定している)が鳴り響く、というコントのようなこともあった。まあ、そういうノイズも含めての試験だから神経質に怒ったりはしない。

それにしても相変わらず難しい試験だ。特に今回は前半に調子が出ず(途中でやめて帰ろうかと思ったくらいに、まずかった。)ボロボロになって休憩時間を迎えた。するとトイレの前で、隣の席で受験していた男(金髪の白人)が話しかけてきた。(これ自体が、日本だとまず考えられない事象ではある。日本では張り詰めた空気の中では、他人を乱さないことが普通だと思う。)



男「君、このテスト受けるの初めて?」 
僕「いや二回目だけど…」
男「僕は初めて。 アメリカ人にとっても面倒くさい試験だね。疲れた~」 
僕「え、アメリカ人なのにどうして受けてるの?」 
男「友達のナイジェアリア人がこの試験のスコアが必要で。自分も受けてみないと指導ができないからさ」

休憩後はスピーキングのセクションだというのに隣の席がネイティブのアメリカ人…というショックと、2万円もする受験料のテストなのにナイジェリア人とアメリカ人の間でこういうディールが成立している、というショックで余計に疲れた。日本がデフレってる間に世界の富豪はどんどんやってる、という一例かもしれない。

Boston Common にて


ちなみに、このテスト、世界共通で同じ条件で英語力を測定してくれる。日本人の平均スコアが低いと話題になることが多い。「グローバル」というなら、内弁慶的なTOEICではなくてこちらの方を受験して世界の人とスコアを競うことが本筋だと思う。日本でも10年後くらいの英語教育(入試)このスタイルが標準になることがほぼ決まっているそうなので、自分自身で体験しておく、という意味でも中年の身に鞭を打ち、恥をしのんでこの試験を受けるのは良いことだと思っている。


僕のスコアは・・・まだ発展途上ということで、ご勘弁いただきたい。

2016年7月6日水曜日

「この宣言がいいね」と市民が言ったから 7月4日は独立記念日(字余り)

アメリカで過ごす独立記念日を迎えた。7月4日に固定されているこの祝日は今年は偶然月曜日に当たった。三連休のため、"4th of July Week End”と言われていた。

思ったほど、日中にイベントやパレードがあるわけではない。正直、若干、拍子抜けした。夜になると、花火が各自治体ごとに行われるということだ。この日には家族で過ごす「アメリカ人の正月」みたいな色彩もあるらしい。


我が家は夕方から街に出て、ボストン最古の教会で行われるという「独立宣言(Declaration of Independence)の朗読会」へと向かった。この教会(Old North Church)はアメリカの独立戦争の歴史的に重要な場所で、観光スポットになっている。沢山の人が詰めかけていた。


Old North Church
朗読者は牧師や神父では無く、おそらく観光協会の人だったと思う。驚いたのは観客のリアクションだ。このコスプレの読み手が独立宣言を読み上げる中、良いフレーズがあると「Yeah!!(よっ!待ってました!キターーみたいな感じ。)」と叫ぶ。

例えば、

We hold these truths to be self-evident, that all men are created equal, that they are endowed by their Creator with certain unalienable Rights, that among these are Life, Liberty and the pursuit of Happiness.
ここで観客の皆さん、歓声と大拍手。(感心という表現は不適切かもしれないが、感心した。日本の文脈だとこれに叫ぶ人は右翼と言われるのか左翼と言われるのか。「国民の分裂が進んでいる」と言われる今のアメリカだが、この宣言だけは、トランプ支持者もヒラリー支持者も納得できるのだろう。)

そして宣言中、苦しい描写のフレーズ(例:本国イギリスが俺らに重税を押し付け・・・)に来ると「Boooo!」となる。最後は「God Bless America!」で皆で「Yeah!」となりスタンディングオベーション。



国民がこのような「文章」を持つことが良いことなのかどうか断定はしたくないが、日本にはこういうものはないのは確かだろう。

ちなみに、僕が勝手に尊敬している北川達夫先生の英語の本では「1:独立宣言」「2:リンカーンのゲティスバーグ演説」「3:キング牧師の演説」の三つは、アメリカで教養ある人と話す際に必須の知識だから必ず読んでおけ、あるいは暗記しろ、と書かれていた。

(これもこの先生から学んだことだが)アメリカの知識人の演説は、大概、過去の有名演説の一部を本歌取りみたいにして使っている(あとは、聖書とシェークスピア)ので元ネタを知ることは非常に重要だとのことだ。

事前の英語勉強で2と3は大体やったものの肝心の1はほぼ手付かずだったのがこの日は悔やまれた。何しろこれらの宣言は英語として難しいのが困る。特に独立宣言は容易ではない。

それでも、この教会での朗読会は、アメリカは、移民たちがこの文書を奉じて集まった国だということを感じるにはいい機会だった。


Boston市役所に、先日のオーランドでの乱射事件を悼む市民の張り紙


追記:ボストンの花火はなんと夜10時30分スタートなので自粛。やたらと混雑するらしい。あと、この花火にはイギリス軍に怒りの大砲を打ち込むイメージもある、と知った。 

追記2:この記事を作る際に、キャロライン・ケネディ駐日大使が、2016年7月4日に寄せて、こんな文章を出していたのに気がついた。やはり「独立宣言」はアメリカ人の基礎教養と見受けられる。

2016年7月4日月曜日

フェンウェイパークは「全米で最も愛される(最も高価な)球場」-2- 「最も高価な」編。


メジャーリーグを扱った「Money Ball」という映画が好きだ。 RED SOXの本拠地フェンウェイパークはこの映画の最後の重要な舞台として登場する。そこでの文脈は、RED SOXには辣腕で金のある経営者がいて、主人公(ビリー・ビーン)を引き抜こうとする、というものだった。これが暗示している通り、RED SOXの球団経営は洗練・高度化されている。

古いけど綺麗、な球場

それは球場を見てもすぐに分かった。古くて狭い球場だが、設備投資が継続的になされていることが感じられる。また、限られた席数の中で少しでも収益を上げるために最大限の工夫がされている。実際、外野席も狭くてきつい。稼ぎを極大化するためだろう。実際、外野の特等席は一つの席一試合10万円で取引されることもある。


入場料金はメジャーリーグの中で一番高い。外野でも40ドルくらいは当たり前。さらに、対戦相手ごとに人気に応じて異なるように設定されている上、一列毎に違うくらいの勢いで席の値段が細分化されており「最大限稼ぐぞ」という経営者の意欲を感じる。(注:これは、リセールサイトのStubhubでの話なので、厳密にはRED SOXの経営ではないのだが)

偶然にもマリナーズの先発は岩隈



また、ディズニーランド方式というべきか、ペットボトルのドリンクすら持ち込み禁止で、中で買わないといけない。日本の球場のように缶ビールは入り口でカップに移して…などはありえない。それで、内部では水のペットボトルが4.5ドル、ハンバーガー一個10ドル。生ビール10ドル。ちなみに、ビールは、年齢証明のIDがないと売ってくれない。入場券以外に一人30ドル以上は使わせよう、というマーケティングサイドの強い意思を感じた。うちが持って行った水筒とおにぎりはお目こぼしだったので助かった。


夕暮れのグリーンモンスター。(今回の席からは見えづらかった)


それにしても、こういう値段では、庶民は気軽に楽しめないと思う。(ボストン市民の半数以上は、年収は350万以下と新聞記事で読んだ。)「昔は外野席は1ドルくらいで入れたもんだよ。今は狂っている」と、とある古参ファンの方が嘆いていた。


それでは球場に来られない人はテレビで見れば良いか、というと、レッドソックスの生中継を見るためにはそれなりに高額なケーブルテレビのチャンネルを月額契約をしなければいけない。この局が「独占企業」であるために値段が高止まりしてる。仕方ないので、うちはMLB.TVの契約をしてネットで見る程度。(しかも、ネットだとホームチームエリアでは生中継は見られないようにIPでコントロールしている。本当に収益に貪欲な人達だ。)野球観戦は「庶民の娯楽」ではなくなりつつあることを肌で感じた。短期的には収益は上がるかもしれないが、将来的に向けた裾野の拡大は大丈夫なのだろうか。

フェンウェイパークがアメリカの一つの象徴だとすれば、こうした収益への飽くなき貪欲性、格差社会の部分も含めて象徴してしまっている部分もあると感じた。

2016年7月1日金曜日

フェンウェイパークは「全米で最も愛される(最も高価な)球場」-1- 「最も愛され」編。


僕はこちらに遊びにきて来ているわけでもないので、普段はほぼ主夫業と勉強だけの規則正しい地味な生活を送っており、いわゆる「観光」はあまりしていない。こちらに来てから、3ヶ月近く経ち、初めてRED SOXの本拠地「フェンウェイパーク」へと出陣する運びとなった。渡米前には「チケットが手に入りづらい」と聞いていたが、Stubhubというリセールサイト(このサイトがまた米国独特で興味深い、米国プライシング戦略事情としてでも別の回にまとめたい)で普通に入手できた。







訪れた日は、天気が最高で、フェンウェイパーク全体の雰囲気が良く、"聖地とはこういうものか"と感動した。先日読んだ当地Botston Globeの記事には“most beloved” (and most expensive) ballpark との形容があったが、まさにそうだった。


夕方のプレーボール。空の変化が最高。


今回の記事は、前者= most belovedについて。

試合前の国歌斉唱から始まって、球場の雰囲気自体が一つのエクスペリエンスになっている。日本と明らかに違う観客のノリは素直に楽しい。気候の良い金曜日の夜で観客は超満員。僕らの座った外野席の近くには「アメリカには居ない」と聞いていた野次オヤジが居た。この人が、RED SOX打者が外野フライを打ち上げたら相手チームの外野手に"Drop it!"と叫ぶ。併殺打を打った味方打者には"Son of a bitch!"と叫ぶ。神宮球場の阪神ファンを思い出す感じだ。野次ではあったけれど、陽性で嫌な感じはしなかった。

それから印象的だったのは、6回ぐらいのインターバルで One Directionの"What makes you beutiful"が流れた時にみんなが異常に盛り上がって合唱になったことだ。なぜこのアメリカの象徴みたいなところでこの曲(イギリスのアイドルの4年前のヒット曲)?、という疑問はあったものの息子に聞くと、小学校の教室でもこの曲を聞いたことあるそうだ。「定番曲」化しているらしい。確かに我が家も日本に居た頃から家で時々聞いていたくらいだし、名曲ではある。この曲が収録されているOne Directionのこのアルバム全体、結構名盤だと思います。



メジャーリーグでの定番曲、7回裏前の"Take me to the ball park"も歌ったが、これも長男によると2ヶ月足らずの通学生活で既に授業で教わった、という。外国から来た小学生にまずこの歌を教える、という事が興味深い。念のため、米国国歌「星条旗よ永遠なれ!」を習ったか?と聞いたら、それは今の所習っていないそうだ。「Baseballは移民国家である米国民を統合するツールであり象徴」だとこの(リンク先の)本で読んだ事があるが、それが思いだされた。

ボストンはかなり寒い上に、季節によっては曇りや雨も多いので、「天気が良ければ」という条件節は外せないが、総合的な感想としては、ボストン訪問の機会があればフェンウェイで試合を見る価値はあると思う






次回、最も「高価な」編。