2016年8月17日水曜日

夏の風物詩に"Jaws Weekend"という洒落た街



JAWS WEEKEND! 
Join us for our annual summer tradition of presenting a beautiful 35mm print of Steven Spielberg's classic on our BIG screen! 


ケンブリッジの隣町のサマービル市にはサマービルシアターという老舗名門映画館がある。この映画館は70mmフィルムの上映ができるし、独自の旧作ラインナップもあるし、とにかく素晴らしい。70mmフィルムの上映は、日本ではもはやできない。この貴重さについてはこのあたりを参照ください。

映画通の人なら「この映画館のためにここのエリアに住みたい」という人もいるだろうと思う。僕は年間20本は映画を見る生活を数年間続けてはきたものの、そこまでのハイレベルな映画ファンではない。それでも、この映画館の価値を理解することくらいはできる。

2016年8月のラインアップ
その素晴らしさの一端が、毎年夏の恒例という「Jaws Weekend」で、日本でいうお盆あたりの時期の週末に映画「ジョーズ」を入場料7ドルで35mmフィルム上映しているとのことだ。こういうイベントがあること自体に地域の映画愛を感じ、サブカル人間として感無量だ。




40年前の作品にもかかわらず、意外にも客層の中心は20代、30代の友人同士やカップルだった。そして、エスニック的には白人ばかり。地元民ばかりで観光客もおらず、僕はかなり浮いていたと思う。まあ、スピルバーグとか映画とかって、そういう文化なのでしょう。冒頭、シアター側の人が挨拶して「携帯のスイッチを切ってね」「声出してもいいけど、あんまり騒ぎすぎるなよ」的なことを言っていた。


ところで、この作品「ジョーズ」は、全体的に「お約束演出」の宝庫(「志村、後ろ、後ろ!」的な・・)で面白い。そして、ラストシーンで、署長が鮫を仕留めるところで観客一同拍手喝采。このお約束感が夏のイベントに向いているのでしょうか。


ただし、映画内の英語がほぼまったく聞き取れない事に軽くショック。最近、ニュースとかドラマでは「結構聞き取れるようになってきたかも・・」などと思い始めていたリスニングへの自信が、映画内ラストの鮫の成仏シーンのごとく見事に粉砕された。古い映画でもあるし、録音状態のせいだと思いたい…。



さて、このあたりの夏は、屋外での旧作の野外上映イベント(例:「グーニーズ」とか「トイ・ストーリー」とか)も多く、映画との付き合い方に風情を感じる。日本での旧作上映だと、物理的に人口の多い60歳以上が昔を懐かしんで集まる、となるところ、こちらだと若い人が普通に旧作を愛でている印象がある。良い悪いではなくて「日本とアメリカは年代別人口構成が違う国だな」と(比較的若者の多い東京から来た自分であってさえも)思うことが多い。特にケンブリッジは学生が多いから若い。ちなみに、早朝の公園にジョギングに行っても「日本だと老人ばかりの一方で、こちらだと若者中心」というのが実態です。日本は老いている。

野外上映でグーニーズを見るの図


映画に話を戻すと、こうしたイベントで選ばれているタイトルとしては、それほどサンプル数でないが、スピルバーグの作品が多いな、という印象がある。スピルバーグは、国民的作家という意味で、山田洋次的な位置付けかな、と思った。

追記:2016年、日本でもジョーズ野外上映イベントはあった(ここ)ようで、ここのイベント(あるいはアメリカの伝統)となんらか関係あるのかが気になっている。

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